排気量アップだけじゃない!? スバル新型「BRZ」は超絶進化! 姉妹車「86」公開は21年1月が濃厚!?
排気量アップに合わせてボディや足まわりもアップデート
プラットフォームは初代モデルの進化版ですが、インナーフレーム構造や構造用接着剤などSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)の知見が盛り込まれています。
リリースには「フロント曲げ剛性約60%アップ、ねじり剛性約50%アップ」とありますが、それ以外の部分にも手が入っているのは間違いないでしょう。
ボディ直付けスタビライザーやステアリング取り付け剛性アップなどがおこなわれていたら、“ほぼ”SGPといっていいかもしれません。
初代モデルは軽量、低重心に徹底してこだわっていましたが、新型はその辺りも抜かりなし。
エンジン出力アップや、より厳しくなる安全性能向上による重量増を抑えるべく、ルーフ/エンジンフード/フロントフェンダーはアルミを採用。これらにより前後重量配分のさらなる適正化はもちろん、低重心化にも寄与しているようです。
ちなみにトヨタ「GRスープラ」登場時に、「86(BRZの姉妹車)よりも低重心」とアピールされていましたが、新型86とスープラではどちらが低重心になるのかも興味深い点です。
体幹が強化された車体に組み合わせてサスペンションもアップデート。現行モデルはノーマルがショーワ、STIスポーツはZF(ザックス)でしたが、新型はどうでしょうか。
タイヤサイズは現行の16/17インチに対して17/18インチと1サイズアップ。18インチは215/40R18サイズのミシュラン・パイロットスポーツ4が奢られています。
絶対的なパフォーマンスは確実に上がっていると思いますが、初代モデルで高く評価されているコントロール性の高さや懐の深い乗り味とどのようバランスさせたのか気になるところです。
ただ、新型「レヴォーグ」をはじめとする最近のスバル車の走りから推測すると、その心配は単なる“取り越し苦労”かもしれません。
初代モデルでは対応していなかった安全支援デバイスですが、新型はATモデルに待望のアイサイトを標準装備。プリクラッシュブレーキや全車車速追従機能付クルーズコントロール(ACC)などが採用されています。
MTモデルにアイサイトの設定がないのは残念ですが、今回はあくまでも北米仕様の話です。すでに国交省は「2021年11月以降にデビューする国産新型モデルに対して衝突被害軽減ブレーキの装備を義務づける」方針を発表しているので、日本向けはどうなるのか。こちらも気になるところです。
このように初代モデルに対して新型の性能アップはいうまでもありませんが、BRZの本当の魅力は数値では表せない「官能性能」にあります。
この辺りは初代モデルの進化・熟成で証明していますし、今まで以上に「安心と愉しさ」にこだわるスバルと、今まで以上に「味づくり」にこだわるトヨタとのコラボレーションなら心配は無用です。
今回は新型BRZが発表されましたが、気になるのは姉妹車のトヨタ 86がいつ発表されるのかだと思います。
筆者はBRZと同時期に発表されると予想していましたが、新型コロナ禍の影響で二転三転、2021年1月の東京オートサロンが濃厚だと思います。初代モデルでは走りの「味」の違いが大きく話題となりましたが、その辺りの進化も気になる所です。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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