三菱の将来は明るい? それとも前途多難!? 輝いていた頃の三菱車5選

ラインナップから消滅してしまった高性能モデルたち

●GTO

スピードだけでなく迫力のあるフォルムが印象的なスポーツカーの「GTO」
スピードだけでなく迫力のあるフォルムが印象的なスポーツカーの「GTO」

 昭和の終わりに、三菱のスポーツモデルといえば「スタリオン」がありましたが、ライバルに対して基本設計の古さは否めませんでした。

 そこで三菱はスタリオンの後継車として、1990年に4WDスポーツカーの「GTO」を発売。

 北米市場を意識したGTカーとして開発されたGTOは、全長4555mm×全幅1840mm×全高1285mmのワイド&ローな3ドアファストバッククーペで、迫力あるフォルムはまさに新世代のスポーツカーにふさわしいものでした。

 搭載されたエンジンは3リッターV型6気筒DOHCで、自然吸気が最高出力225馬力を発揮し、ツインターボは280馬力を誇り、全グレードとも駆動方式は4WDを採用。

 GTOツインターボには室内のスイッチで排気音を変えることが可能な「アクティブエグゾーストシステム」や、高速走行時に可動する可変リアスポイラーとフロントスカートからなる「アクティブエアロシステム」を装備しています。

 サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット、リアがダブルウィッシュボーンで、電子制御アクティブサスペンション(ECS)と、中高速域で後輪と前輪を同方向に操舵する4WS が組み合わされ、旋回性能を高めていました。

 同時期に発売された日産「Z32型 フェアレディZ」や「R32型 スカイラインGT-R」がライバルでしたが、GTOは1.7トンに迫る重量級だったことからスポーツカーとしてのポテンシャルは両車にアドバンテージがあったといわれています。

 しかし、アグレッシブなデザインの外観や、オールラウンドな走りができるGTカーとして、大いに魅力的な存在でした。

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●ランサーエボリューション

当時としては驚異的な性能を誇った初代「ランサーエボリューション」
当時としては驚異的な性能を誇った初代「ランサーエボリューション」

 1973年に三菱は、ベーシックなセダン/クーペの初代ランサーを発売。ラリーに出場するために1.6リッターのツインキャブエンジンを搭載した高性能な「ランサー1600GSR」を追加ラインナップするなど、スポーティなイメージが定着。

 それに続いて1.8リッターターボエンジンを搭載した2代目「ランサーEX 1800GSRターボ」も、国内外のラリーで高い評価を受けていました。

 そして、前出のギャラン VR-4よりもさらにラリーでの戦闘力を高めるため、1992年に4代目「ランサー1800GSR」にギャラン VR-4に搭載していたターボエンジンと4WDシステムを移植した、初代「ランサーエボリューション」を発売しました。

 2リッターのターボエンジンは最高出力250馬力までチューンナップされ、ギャラン VR-4よりも軽量なボディと相まって、当時の市販車としては驚異的な加速性能を誇りました。

 しかし、4代目ランサーの標準車両から大幅に強化されたシャシとはいえ、FFベースに4WDシステムを移植した急ごしらえ感は否めず、アンダーステアが強く「直線は速いけど曲がらない」と価されました。

 そうした厳しい評価を覆すため、ランサーエボリューションは短期間のうちに進化していくことになり、ライバルのスバル「インプレッサWRX」とともに超高性能セダンの二大巨頭になりました。

※ ※ ※

 バブル景気が崩壊した後の1993年頃、ホンダは三菱に買収されるのではという噂がありました。

 実際にホンダの業績が悪化していたことは確かで、当時、ホンダのメインバンクが三菱銀行(現、三菱UFJ銀行)だったことから噂がひとり歩きしたようです。

 その後、ホンダは「オデッセイ」「ステップワゴン」「CR-V」と大ヒット車を連発したことで業績が一気に回復し、買収の噂話は消滅します。

 経済不安があるとこうした噂がたびたび出てきますが、これまで再編を繰り返してきた自動車メーカーの状況を見ると、現在のコロナ禍では何が起こっても不思議ではないのかもしれません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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