新車同然のマクラーレンがバーゲンプライス!? 「650Sスパイダー」は1900万円!

「650S」なら新車同然でもお買い得!

 エルクハート・コレクションには、さらにスーパーシリーズの「650Sスパイダー」も姿を現している。

 このモデルは、「MP4-12C」の実質的な後継車に相当するもので、リアミッドに搭載する3799ccV型8気筒ツインターボエンジンの最高出力を一気に50ps引き上げ、車名のとおり650psとするなど(最大トルクは678Nm)、徹底的な改良を施して誕生したモデルだった。新開発されたパーツは、実に全体の25%に及ぶと当時発表されていた。

●2016 マクラーレン「650Sスパイダー」

走行距離が1765kmしかないマクラーレン「650Sスパイダー」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
走行距離が1765kmしかないマクラーレン「650Sスパイダー」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 デビュー時にもっとも大きな話題となったのは、上級シリーズ、すなわちアルティメット・シリーズの「P1」から受け継がれたフロントマスクに象徴されるエクステリアデザインだった。

 MP4-12Cがどちらかといえば控えめなデザインと評されたのに対して、この650Sは大胆なフロントセクションを始め、いかにもマクラーレンのファミリーであることを物語る個性を持ち合わせていた。

 さらにそのデザインのすべてには確たる機能が備えられており、それを可能なかぎり小さなパッケージにまとめるコンセプトを称して、当時マクラーレンはシュリンク・ラップという表現を用いていた。

 オークションに出品された650Sは、ヴォルケーノ・レッド(火山の赤)と呼ばれる、独特な深みと輝きを持つボディカラーで彩られたものであった。内装はブラックで統一され、そのコンビネーションもまた魅力的だ。

 走行距離は2016年モデルにもかかわらず、わずかに1103マイル(1765km)。初代スーパーシリーズの、ひとつの究極形をドライブしたいと願うカスタマーには、このコンディションは見逃せないところだ。

 落札価格は18万4800ドル(邦貨換算約1922万円)。新車当時の車両価格がおよそ3400万円オーバーだったことを考慮すると、2000kmにも満たない走行距離を鑑みてバーゲンプライスといえるだろう。

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