「これは凄いクルマ!」 日産新型SUV「マグナイト」がインド市場に投入された背景とは

日産がインド市場を中心に投入した新型コンパクトSUV「マグナイト」。世界中でコンパクトSUVの人気が高まるなかで、インド市場にはどのような経緯で投入されるのでしょうか。

大注目の新型マグナイト、インド市場に投入された背景とは

 日産は、2020年10月21日にインド市場で新型小型SUV「マグナイト」を世界初公開しました。
 
 新型マグナイトは2021年初頭にインドで発売後、そのほかの地域でも発売を予定していますが、インド市場にどのような経緯で投入されるのでしょうか。

インド市場に発表された日産の新型「マグナイト」。どのような経緯で投入されたのか。
インド市場に発表された日産の新型「マグナイト」。どのような経緯で投入されたのか。

 2020年5月28日に日産の内田誠社長兼CEOは、事業構造計画発表「NISSAN NEXT」を発表しました。

 この会見の最後に紹介された動画「NISSAN NEXT:From A to Z」には12の新型モデルが登場。

 そのなかには、2020年6月に日本で発売された新型コンパクトSUV「キックス」や7月にお披露目された新型電気自動車「アリア」、9月にプロトタイプが公開され公開話題となった「フェアレディZ」、そして前述の新型マグナイトなどが映し出されていました。

 新型マグナイト自体は、以前から日産インドがティザーイメージを公開するなどして、登場の期待値が高まっていたモデルです。

 新型マグナイトは、インドでは日産初となる全長4m以下の小型SUVで、インドのユーザーニーズに合わせて日産の栃木試験場などで開発されました。

 車名は、「Magnetic(魅力のある)」と「Ignite(感情を喚起する)」が由来となっており、日産は「インドをはじめとした成長地域における日産の新時代への思いを込めました」と説明しています。

 エクステリアは大胆で斬新なデザインで、シャープなLEDヘッドランプの下にはL字型のデイタイムランニングライトを採用。さらに、前後のバンパー下部に装着されたシルバーのスキッドプレートがタフさを演出。

 インテリアは運転席と助手席の空間が広く、ゆったりとした室内空間を提供しており、後部座席はひとクラス上のクルマに匹敵するような足元のゆとりある空間を実現しました。

 8インチのタッチスクリーンを持つインフォテイメントシステムを搭載し、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応し、メーターには7インチのTFT液晶ディスプレイを採用し、先進的な室内空間を提供します。

 搭載されるエンジンは1リッターターボで、荒れた路面でも安心感のある205mmの最低地上高を確保。機能面では、クルマの周囲にある障害物を見やすくするアラウンドビューモニターやヒルスタートアシストなどを搭載し、運転時の安心感を高めました。

 そんな新型マグナイトがインド市場に投入された背景を日産の専務執行役員、アフリカ・中東・インド・ヨーロッパ・オセアニア マネジメントコミッティ副議長、マーケティング&セールス、AMI(アフリカ・中東・インド)社長のギョーム・カルティエ氏に伺いました。

――インドの新車市場動向はどのような状況でしょうか?

 インド市場は日本とは変わった新車販売の体制を持っています。それは、インドではカーディーラーへの卸売りベースとなっており、そこから顧客に販売される仕組みになっています。

 そのなかで、インドの新車市場では、初めてクルマを購入する人が多いというケースがほとんどです。

 そのため、売れているセグメントを見るとAセグメントやBセグメントのコンパクトモデルが占め、最近ではBセグメントSUVの人気も高まっています。

 また、最近では都市部以外の郊外でもクルマの需要が高まっており、モビリティに対する要望が増えているのもインド市場の特徴です。

 現在のインド市場は新型コロナウイルスの影響を受け、新車市場は34%も減少しました。

 しかし、直近のインド市場は回復傾向にあり、2019年並みのコロナ前の状況に戻りつつあります。

――インド市場でクルマに求められるものとは?

 元々、インドのユーザーはクルマに対して、通勤用で安くてコンパクトなモデルであれば良いというニーズが占めていました。

 しかし、現在では単純に通勤だけでなくそれ以上のものを求めていて、インドのユーザーは、すごく誇りが高く自分が成功しているということを示したいという傾向があり、クルマを所有することによって社会的な成功を表現するように変わってきています。

 そのため、単純にコンパクトモデルかつ手頃な価格というだけでは売れない状況になっていることもあり、最近では魅力的なデザインがあるかが重要になってきました。

 加えてBセグメントSUVの需要が増えてきたことで、新型マグナイトのような高いデザイン性を持ち、日産が誇る技術を詰め込んだ機能を搭載したモデルを投入したのです。

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1件のコメント

  1. 良い車なら、スピード感をもって早く出せばいい。
    インド日産のHPを見ると、扱い車種が、キックスとGT-Rと、追加のこの車だけ。
    さらに、日産とは別にダットサンブランドも出しており、なんか力が分散されている気がする。
    そもそも、戦略ってあるのだろうか。

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