かつては一世を風靡したのに激減! 往年の高性能FRセダン5選

まさに漢のセダンといえる2台とは!?

●三菱「ランサーEX GSRターボ」

無骨はデザインが力強さを象徴した「ランサーEX インタークーラーターボ」
無骨はデザインが力強さを象徴した「ランサーEX インタークーラーターボ」

 1973年に誕生した三菱初代「ランサー」は、トップグレードの「1600GSR」に、ソレックス2バレルツインキャブレターを装着して最高出力110馬力を誇る1.6リッター直列4気筒SOHCを搭載し、国内外のラリーで活躍しました。

 しかし、1979年に発売された2代目にあたる「ランサーEX」シリーズは、初代に比べて100kg以上増えた車重と、排出ガス規制によるパワーダウンもあり、初代のスポーティな印象はありませんでした。

 そこで、ターボフルラインナップ化を進めていた三菱は、1981年に最高出力135馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載した「ランサーEX 1800GSRターボ」を発売。

 一方で、ライバル車も続々とパワーアップしており、ランサーEXターボも1983年のマイナーチェンジでインタークーラーが装着され、最高出力は160馬力までアップしました。

 直線基調のセダンながら、インタークーラーを覗かせるスポイラー形状のバンパーや、逆文字「TURBO」のデカールで、スポーティに演出。

 足まわりも専用にチューニングされ、後輪駆動ならではのコントローラブルなハンドリングによって、若い世代を中心に硬派なセダンとして高い人気を得ました。

 その後、1987年にランサーEXシリーズは生産を終了し、FF化、4WD化が進められ、「ランサーエボリューション」へと繋がることになります。

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●いすゞ「ジェミニZZ」

控えめに高性能さをアピールした高性能モデルの「ジェミニZZ/R」
控えめに高性能さをアピールした高性能モデルの「ジェミニZZ/R」

 現在、いすゞはトラックメーカーとなっていますが(海外ではSUVを販売)、2002年までは乗用車を生産しており、「117クーペ」や「ベレット」など、数々の名車も誕生しています。

 1971年にGMと提携したいすゞは、同じくGM傘下のオペルが生産していた小型車「カデット」をベースに、ベレットの後継車にあたるFRセダン/クーペの初代「ジェミニ」を開発し、1974年に発売。

 当時のカローラや日産「サニー」よりもワンランク上の車格で、いすゞの主力車種となります。

 そして、1979年には117クーペ用に開発された、最高出力130馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載した「ZZ(ダブルズィー)」シリーズを追加ラインナップ。

 さらに1981年には、強化サスペンションやLSDを標準装備した「ZZ/R」を発売し、ファンからは「ベレットGTR」の再来と評されます。

 リアバンパーの下から覗く斜めにカットされたデュアルマフラーが印象的で、エキゾーストノートも低音が響くスポーティなサウンドを奏でました。

 1985年にFF化された2代目ジェミニが発売されますが、しばらくは初代も併売され、1987年に生産を終了。その後1990年代には、SUVを除くいすゞの乗用車はすべてFFベースとなりました。

※ ※ ※

 FR車の魅力というと、駆動輪と切り離された前輪による素直なハンドリングや、アクセルワークで車体の向きを変えるドライビングプレジャーなどが挙げられます。

 絶対的な走行性能は4WDの方が優れていますが、トヨタ「スープラ」や日産「フェアレディZ」など、生粋のスポーツカーがFRを採用するのは、上記の魅力があるからではないでしょうか。

 公道で許させる速度域では、FRの醍醐味を味わいつくすことは難しいかもしれませんが、独特の走行フィーリングはいまも健在です。

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