なぜ岡山は交通事故の死亡率がワースト1に? 地域特有「ローカルルール」の危険性とは
ほかにもある! 全国の危険なローカルルール
「岡山ルール」や「名古屋走り」以外にも、全国には危険なローカルルールが存在しています。そのなかからいくつか紹介します。

●茨城ダッシュ
交差点で右折車が、信号が変わった途端に直進車より先に右折する特別ルールです。
ちなみに直進車の通過を待っていると後続する右折車からクラクションを鳴らされることもあるようです。
●香川ルール
前出のJAFの調査のように、全国でもっとも運転マナーが悪いと自覚している香川県では、ウインカーを出さずに車線変更や進路変更は当たり前。
信号のない交差点で歩行者がいても一時停止しない、信号が青になる前に見切り発車と、かなりワイルドです。
●阿波の黄走り(徳島県)
これは黄色信号を「進め」と誇大解釈したローカルルールで、黄色信号では停車せず、むしろ加速して通過しようとする傾向を指しています。
その理由も「停車すると後続車に迷惑がかかるから」という配慮だとされていますが、危険な行為だといえます。
●赤信号3秒ルール(福岡県)
JAFのアンケート結果によると、本来は違反である「運転中に携帯電話の操作をしてしまう」運転者が多いといわれるのが福岡県です。
運転中に携帯電話の画面を見ながらのため、信号が変わっても平気で交差点に突っ込んでくるクルマが多いともいわれています。
「走行車線の信号が赤になり交差する信号が青に変わるタイムラグ(約3秒)以内ならセーフ」という交通事故を誘発しかねないルールです。
●栃木ルール
まだメジャーではないものの、栃木県にもローカルルールが存在します。
栃木ルールとは「信号が変わる直前に突然右折」や「ウインカーなしで車線変更」という行為で、右折レーンでは誰も事前にウインカーを作動させないのだそうです。
ちなみに近隣の茨城や群馬でも同じ傾向の運転が見られるようです。
●松本走り(長野県)
長野県の松本市で頻繁に見られるローカルルールで、直進より先に右折、スキあらば右折、赤信号でも右折、ウインカーを出さず右折といった右折特化型です。
もともと城下町だった松本市は細い道の交差点が多く、右折車での渋滞が多かったため、右折を先にする意識が強くなったとされています。
類似のローカルルールとして、お隣の「山梨ルール」や、愛媛県でも「伊予の早曲がり」と呼ばれる右折優先ルールがあります。
●播磨道交法(兵庫県)
実際の道路交通法ではなく、姫路ナンバーなどのマナーの悪さから皮肉られたものです。
「先に入った(クルマのフロントを突っ込んだ)クルマが優先」「対向車が左折なら右折は一緒に」「自転車や歩行者はクルマが来なければ赤信号も青扱い」「右左折時、通れるスペースあれば歩行者がいてもすり抜け可能」など。
さらには、「歩行者はクルマが途切れるまで待て」「狭くてもスペースあれば割り込み可能」「ウインカーは曲がると同時」「前に人がいればクラクションで空けさせる」といった、ワイルドの極みのようなローカルルールです。
※ ※ ※
ほかにも知られていないその地域特有のローカルルールはありそうですが、そのほとんどが道路交通法違反です。
地元の人でないとわからないルールも多く存在するため、旅行などで出掛けた際は十分注意しましょう。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。










