ポルシェ911は、役物でも限定モデルをねらうべし!

ポルシェ「911」は「役物」が人気だが、そのなかでもターボであり後輪駆動の「GT2」は、もっとも人気が高いグレードのひとつだ。そこで、中古車市場でもすこしこなれた感のある6代目「997型」のGT2が、世界のオークションでどれくらいの評価をされているのかを検証してみよう。

限定モデル「911GT2 RS」ならプレミアムがつく!?

 さらにわがままかつ贅沢なカスタマーのためにポルシェが用意したのが、母国ドイツでは「Renn Sport」を現す「RS」の称号だ。

●2011 ポルシェ「911GT2 RS」(997型)

2011年式ポルシェ「911GT2 RS」に付けられたエスティメートは、45万−65万スイスフラン(C)Bonhams 2001-2020
2011年式ポルシェ「911GT2 RS」に付けられたエスティメートは、45万−65万スイスフラン(C)Bonhams 2001-2020

 そもそもが特別なGT2に、さらにRSの称号が加わるのだから、それがどれほどに高性能で刺激的であるのかは、誰もが簡単に想像できるところだろう。ちなみにRSのルーツは、1973年まで生産された、あの「911カレラRS」だ。

 997型の911GT2をベースとしたGT2 RSは、さらに90psのパワーアップが施された。発表された2010年当時の記録によれば、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェのラップタイムは7分18秒。今でもこのラップタイムは十分に魅力的なものに思える。

 ベースのGT2自体が、軽量化を意識して駆動方式をAWDからRWDに変更。セラミックコンポジットブレーキやチタン製エグゾーストシステムなどで、すでに十分なダイエットを果たしていたモデルだったが、GT2 RSではさらにフライホイールのシングル化やサスペンションスプリングの変更、リアウイングやフロントフードを軽量化したことで、さらに70kgも重量を軽減している。

 RSの称号を掲げたのだから、GT2 RSの行先はモータスポーツに違いないというカスタマーやファンの期待は、残念ながら実現しなかった。当時、すでにこのGT2が出場できるレースカテゴリーは存在しなかったし、ワンメイクレースをオーガナイズする予定など、ポルシェにはなかったからだ。

 この2011年式911GT2 RSのオークションは、まだ継続中だが、エスティメート(予想落札価格)は45万−65万スイスフラン(邦貨換算約5200万円−7500万円)である。

 そもそも500台の限定車だけに、落札価格がどれくらいで落ち着くのか、オークションの結果が楽しみだ。

* * *

 997型911 GT2とGT2 RSの新車当時の車両価格の差は、200万円ほど。しかし、オークションや中古車市場では、その差は歴然。今回のオークションでのエスティメートでも3倍もの差が付けられていた。

 新車での入手はなかなか困難とはいえ、911の「役物」でも限定販売モデル(500台以下)を狙うのがオススメといえるだろう。

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