なぜ消えた? 車の「サイドモール」 かつては高級車の証も見かけなくなった理由とは
サイドモールはどこへ消えた?
サイドモールが消えたもうひとつの要因として、プレス技術の進化が挙げられます。
前述の通り、サイドモールにはボディサイドの抑揚を出すといったデザイン上のメリットがあります。
しかし、それは同時に、従来のプレス技術では、抑揚のあるボディ形状を形成できなかったということでもあります。
一方、近年技術が進歩したことにより、プレスによって複雑なボディラインを演出することができるようになりました。
デザイン上のメリットはもちろん、車体軽量化や空気抵抗の減少化などを考慮しても、サイドモールを装着するよりもプレスによって形成するほうが良いといえます。
高級セダンに多く採用されてきたサイドモールですが、シンプルなデザインを好むユーザーにとっては、「とってつけた感」の強いサイドモールよりも、プレスによる自然なボディラインのほうが適しているとも考えられます。
とはいえ、需要がゼロになったかというと実はそうでもありません。アフターマーケットでは、カスタムパーツとしてのサイドモールは一定のニーズがあるといいます。
自動車用品販売の関係者は次のように話します。
「例えば、『VIPカー』というカスタムジャンルにおいては『マークII』『クラウン』『セルシオ』などの高級セダンに社外品のサイドモールを装着するユーザーが見られます。
また、大型のバンパーやライトポッドがついているようなSUVやキャンピングカーでは、車両保護パーツがついているほうがよりスタイリッシュに見えることから、実際にはそれほど必要ではなくとも装着するユーザーが多いと感じます。
もちろん、本来の用途である『車両保護』の観点から装着する人もまだまだいらっしゃいます。
デザイン的には不必要になっても、樹脂パーツより板金塗装のほうが高額なのは変わっていないことが原因と考えられます」
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一時は高級車の証としてもてはやされたサイドモールですが、今はすっかり見る影もなくなってしまいました。
一方で、トヨタ「カローラ」やスバル「インプレッサ」にはいまだに純正オプションとしてサイドモールが用意されているなど、一定の需要はあるようです。
また、「車両保護」の観点から今後も需要があると読んだルノーやシトロエンは、サイドモールを現代的に解釈し、カジュアルなデザインに落とし込むなどの工夫をしています。
トレンドではなくなったサイドモールですが、工夫次第で復権はあり得るのかもしれません。
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