乗って楽しい高性能車がお手頃価格!? 安くて速いMT車5選

現在、国内の自動車市場では、MT車の比率は2%ほどといわれています。実際のラインナップを見ても、ひと昔前にくらべてMT車は激減してしまいました。一方、少し前の中古車に目を向けると、数多くのMT車が販売されており、しかも高性能なモデルのなかには比較的安価なクルマも存在。そこで、お手頃価格の高性能MT車を5車種ピックアップして紹介します。

ドライビングプレジャーあふれる高性能MT車が安い!?

 昭和の時代に普及が始まったオートマチックトランスミッション(以下AT)ですが、技術的な進歩やイージードライブを求めるニーズの高まりから、急激にシェアを拡大しました。現在、国内の自動車市場では、MT車の比率は2%ほどといわれています。

いまなら安価に手に入る高性能なMT車たち
いまなら安価に手に入る高性能なMT車たち

 かつてはスポーツカーやスポーティなグレードというと、MT車が一般的でしたが、DCTやCVTの進化によって、いまではあらゆる性能がMTを上まわり、高性能車でも2ペダルが当たり前になりました。

 そのため、近年はMT車が激減しており、選択肢は限られている状況です。

 しかし、中古車に目を向けると、まだまだ数多くのMT車が販売されており、しかも高性能なモデルでも比較的安価なクルマも存在。そこで、お手頃価格の高性能MT車を5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「セリカ」

スタイリッシュかつ高い運動性能が特徴の7代目「セリカ」
スタイリッシュかつ高い運動性能が特徴の7代目「セリカ」

 トヨタ初代「セリカ」は1970年に発売されたスペシャリティカーです。それまで特別な存在だったDOHCエンジンを搭載したことで、DOHCエンジン普及の足がかりになりました。

 その後代を重ね、セリカには高性能なターボエンジンやフルタイム4WDが搭載され、ラリーでの活躍もあり、2リッタークラスのスポーツモデルというイメージが定着。

 しかし、1999年に発売された7代目ではターボエンジンと4WDが廃止され、シンプルなFFスポーツカーと、コンセプトが大きく変わりました。

 外観は縦長のヘッドライトと空気を切り裂くようなシャープなフォルムが特徴で、生粋のスポーツカーへと変貌します。

 エンジンは全グレードが1.8リッター直列4気筒自然吸気で、トップモデルの「SS-II」には高回転タイプの「2ZZ-GE型」を搭載し、最高出力190馬力を発揮。トランスミッションは6速MT(SS-II)、5速MT、4速ATが設定されました。

 足まわりはフロントにストラット、リアにダブルウイッシュボーンを採用した4輪独立懸架となっており、優れたコーナリング性能を実現。

 しかし、販売台数の低迷から7代目セリカは2006年に販売を終了し、長い歴史に幕を閉じました。

 現在はクーペ人気が下落していることから、中古車相場は安価に推移しており、低走行のSS-IIでも100万円前後、スタンダードなSS-Iならば50万円前後と、魅力的な価格です。

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●マツダ「RX-8」

現在までで最後のロータリーエンジン搭載車となった「RX-8」
現在までで最後のロータリーエンジン搭載車となった「RX-8」

 マツダは1967年に、世界初の量産ロータリーエンジン搭載車の「コスモスポーツ」を発売。その後は、ロータリーエンジン車の拡充をおこない、1978年にはピュアスポーツカーの「サバンナRX-7」が登場。

 RX-7シリーズはマツダを代表するスポーツカーとして代を重ねますが、2003年に生産を終了し、一旦ロータリーエンジンの系譜が途絶えてしまいました。

 しかし、同年、新しいコンセプトの4ドアFRスポーツカーである「RX-8」が登場。搭載されたエンジンは新開発の654cc×2ローター自然吸気ロータリーの「13B型」で、「RENESIS(レネシス)」と命名。

 トランスミッションは6速MT、5速MT,4速AT(後に6速ATが追加)の設定で、トップグレードの「TYPE-S」6MT車では最高出力250馬力を8500rpmで発揮。レブリミットは9000rpmという高回転を誇りました。

 また、車体の前後重量配分を理想的な50:50とし、足まわりではフロントがダブルウイッシュボーン、リアをマルチリンクとするなど、4ドア4シーターと実用性も考慮しながら高い運動性能を発揮。

 RX-8は改良を続け進化していきましたが、2012年に生産を終了し、再びロータリーエンジンの系譜が途絶えてしまいました。

 現在、一部の限定車を除くと100万円台で低走行車が入手可能ですが、ロータリーエンジンはメンテナンスがとくに重要なエンジンのため、記録簿の確認など注意が必要です。ただし物件数も多いので、選択肢は豊富といえるでしょう。

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●スバル「レガシィ B4/ツーリングワゴン 2.0GT」

オールマイティに使える高性能車として人気を博した4代目「レガシィ」
オールマイティに使える高性能車として人気を博した4代目「レガシィ」

 1989年に発売されたスバル初代「レガシィ」は、新開発で高性能な「EJ20型」水平対向エンジンを搭載し、フルタイム4WDを組み合わせた高性能モデルがクローズアップされ、大ヒットしました。

 ボディタイプはセダンとステーションワゴンの「ツーリングワゴン」を設定し、どちらもターボエンジンを搭載した高性能グレードをラインナップ。

 3代目からセダンは「レガシィ B4」となりましたが、初代からのコンセプトを継承しつつ進化を続け、2003年に4代目が登場します。

 4代目では海外市場への対応や衝突安全性能向上のために、ボディの全幅を拡げたことにより3ナンバー登録車となる大きな改革がおこなわれました。

 それにともない、ボディデザインやインテリアデザインなども質感が高められ、1クラス上級のクルマに思える仕上がりとなります。

 エンジンは新たに開発された、ツインスクロール式シングルタービン仕様の2リッター水平対向4気筒を高性能グレードに搭載し、最高出力は280馬力を発揮。トランスミッションは5速MTと4速ATです。

 また、電子制御式スロットル仕様としたことで、圧倒的パワーだけでなくスムーズさと低燃費も兼ね備える洗練されたエンジンに進化しています。

 そして、2009年にさらにボディサイズを大型化した5代目にバトンタッチし、4代目は生産を終了。

 現在、4代目レガシィの中古車はセダン、ステーションワゴンともに豊富で、MT車の数も多く、100万円未満の相場で推移しています。また、ボディサイズも手頃な大きさなのは、好印象です。

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