「価格は聞いて」!? 中古車でなぜ価格表記しない? 不安にさせる「ASK」の正体とは
高級な寿司屋に行った際、「時価」という表記を目にすることがあります。これは獲れた時期や魚の大きさなど、その時々で異なるためだといいます。一方で、中古車も年式や走行距離など同じものは無いですが、おおよその相場価格が存在します。では、魚よりも高額な中古車の販売で「ASK」というように価格が表記されないことがあるのはなぜなのでしょうか。
値段がわからないのはユーザーにとってデメリット
中古車を探しているとよく目にするのが「ASK」という表記。意味的には「価格は尋ねててください」となります。
魚のように獲れたタイミングなどによる時価とは違い、中古車は細かな条件によって販売店毎の差はあれど、相場価格は決められるはずですが、なぜ、高額な買い物といえる中古車の価格を隠すのでしょうか。
日本自動車販売協会連合会(自販連)の統計によると、2019年度の乗用車中古車登録台数は333万4075台でした。
503万8648台という同時期の新車販売台数と比べると少ないように感じますが、それでもかなりの数字であることがわかります。
昨今のコロナ禍のなかでは、不特定多数の人との接触を避けて移動できるクルマの魅力が再確認されているといい、中古車市場はにわかに活性化しているようです。
中古車の魅力はさまざまですが、多くの人にとって中古車のメリットといえば、新車に比べて価格が安いことが挙げられます。
現在、100万円以下で購入できる新車はほとんどありません。しかし、中古車であれば、同じ金額で国産車はもちろん輸入車も選ぶことができます。
一方、中古車はクルマの状態がひとつひとつ異なる「一品物」であるため、当たり外れがあるというデメリットがあります。
もちろん、新車でもまれに初期不良が発生することがありますが、基本的には一定期間のメーカー保証があるため、大きなリスクはありません。
しかし、中古車の場合は保証がない場合も多く、購入時に気が付かなかった不調が発見された場合は、自費で修復しなければならないケースも少なくありません。
また、同じモデルでも価格の差が大きい場合もあり、また、時期によっても変動するため、ユーザーが適正金額を把握することが難しいというデメリットもあります。
業界の努力によって、現在は明らかな「ボッタクリ」店は減ったといわれていますが、それでも定価がはっきりとしている新車に比べると不安に思うユーザーはいるでしょう。
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