いまや30兆円規模!? 中国流「アルファード」の改造車も! 日本と異なるカスタム文化とは

車検制度が変わったことで、カスタムカー文化が急速に浸透か

 前述の通り、非常に厳しい車検制度のある中国ですが、それでも新車市場の成長に伴い、アフターマーケット市場、とくにカスタムカー文化が浸透しつつあるようです。

 日本は世界のカスタムカー文化に大きな影響を与えてきました。

 とくにアジア各国では、アニメやマンガなどのコンテンツの影響もあり、日本のカスタムカーは高い人気を誇っています。

中国で独自の進化を遂げるカスタム文化。独自のカスタムイベントも開催されるほど
中国で独自の進化を遂げるカスタム文化。独自のカスタムイベントも開催されるほど

 中国でも、広東省のような日本車販売比率の高い地域では、以前より日本式のカスタムカーに対する関心は高かったといわれています。

 中国で純正アフターパーツを展開するある国産自動車メーカーの社員は次のように話します。

「中国では、日本と比べて違法改造に対する取り締まりはそれほど厳しくありません。

 そのため、中国では車検時にノーマルに戻すことを前提にカスタムすることで、カスタムカーを楽しむユーザーがほとんどでした。

 2014年に車検期間がそれまでの2年から6年に引き上げられたことで、カスタムカー文化がにわかに浸透しました。

 新車販売が多い中国では、6年以内に別の新車に乗り換える層も多く、そもそも車検を受けないことがおもな理由のようです。

 ただ、あくまで違法改造であることから、ディーラーでの整備や保証も難しくなり、メーカーとしては頭を悩ませています。

 そこで、純正のアフターパーツを導入し、新車装着することで合法的にカスタムを楽しめるように努力しています」

※ ※ ※

 中国で見かけるカスタムカーの多くは、日本の感覚でいえば、違法改造車が少なくないようです。

 そこでメーカーとしては純正のカスタムパーツの導入を進めています。一方で、近年ではアフターマーケットに関する業界団体もできるなど、政府に対してカスタムの合法化を求める動きが進んでいます。

 近日中にホイールに関する規制の緩和がおこなわれるともいわれており、ますます市場が拡大する可能性があります。

 中国のアフターマーケット市場は年々拡大し、すでに30兆円規模に達するといわれており、これは日本の新車市場をしのぐ数字です。

 まだルールが徹底していないことから、グレーな部分も多かった中国のカスタムカーですが、法整備や消費者意識の改善によって、今後も成長していくと考えられます。

【画像】凄すぎ! 日本の白黒パトカーに違法改造車や日中の違いを見る!(25枚)

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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