新型レヴォーグで勢いに乗るスバル なぜ一斉に受注終了? 燃費規制にまつわる厳しい事情とは

新型レヴォーグが話題のスバルですが、じつは買えるクルマがほとんどない、という異常事態となっていました。これは一体どういうことなのでしょうか。

ほとんどのモデルが受注終了の“怪”

 2020年10月15日、スバルから新型「レヴォーグ」がいよいよ発表されました。数少ない国産スポーツワゴンであり、高度運転支援システムである「アイサイトX」が搭載されているなど発売前から大きな話題を呼んでいました。

スバルは燃費規制で苦境に立たされている!?
スバルは燃費規制で苦境に立たされている!?

 また、10月8日にはスバルの主力である「インプレッサ」と「XV」の改良モデルを発売。加えて、「フォレスター」も10月22日に“C型”と呼ばれる新モデルへ年次改良されます。

 さらに、次期「BRZ」のティザー画像も公開され、ほとんどすべての主力車種を刷新するなど、ここ最近はスバルの勢いを感じます。

 一方で、主力モデルのモデルチェンジや改良がここまで重なるのは、非常に珍しいことだといえます。そして、必ずしも喜ばしいことともいえません。

 一般的に新モデルと旧モデルを併売することはあり得ないため、モデルチェンジ直前に旧モデルを売り切る必要があります。

 在庫状況を見計らって受注を終了しなければならないため、モデルチェンジの前後ではクルマを買えないタイミングができてしまいます。また、新モデルの情報が見られるようになると、ユーザー側も買い控えが起こります。

 実際、2020年7月から8月にかけて、上記の主力モデル以外にも「レガシィ」や「アウトバック」、「ジャスティ」「ステラ」「サンバー」などほぼすべての国内でスバルが販売するモデルが受注終了となりました。

 受注終了が相次いだ理由として販売店は、「モデルチェンジが重なったため」と話します。

 しかし、自動車メーカーのモデルチェンジカレンダーは数年先まで決められているのが普通で、生産やマーケティング上の都合で多少前後することはあるものの、一斉にモデルチェンジをすることはありません。

 一時的とはいえ、売るものがない状態なので販売店も厳しい状況だったことが想像できます。

 じつは、これほどまでにモデルチェンジが重なった理由には、スバルとしてやむを得ない事情がありました。

 世界的に見ても日本は燃費規制の厳しい国です。石油資源をほとんどもたない日本にとって、燃費の良いクルマを増やすことは至上命題であり、そうした背景も合って日本ではハイブリッドカーなどが普及してきました。

 これまでの燃費規制は、原則としてそのモデルごとに設定されるものでした。しかし、年々規制が厳しくなる燃費基準に合わせようとすると、すべてのラインナップをハイブリッド化するなどする必要があり、メーカー側としても柔軟なクルマづくりができなくなるという問題点があります。

 そこで導入されたのが通称「CAFE規制」と呼ばれる「企業間平均燃費」による規制という考え方です。これは、モデルごとではなく各メーカー全体の販売台数における平均燃費を基準とするものです。

 実際の計算式は非常に複雑なため割愛しますが、現在の基準では販売された新車の燃費がおおよそ20km/Lを超えている必要があります。

 この数値は、あくまで販売台数の平均であるため、たとえばエコカーを多く販売していれば、燃費の悪い大型車やスポーツカーもある程度販売できることになります。

 その点で、モデルごとに燃費基準を設けるよりも、メーカーにとっては多様な戦略をとれるという点でメリットがあります。

 CAFE規制はすでに北米や欧州でおこなわれており、一定の成果を出していることから、日本でも導入されることになりました。そして、このCAFE規制が導入されるのが2020年度だったのです。

 スバルのモデルチェンジラッシュは、このCAFE規制が影響しているといえます。スバルの魅力のひとつである水平対向エンジンは、その独特のフィーリングに定評がありますが、燃費という観点で見るとライバルに見劣りするのも事実です。

 また、スバルは、トヨタやホンダのようなフルラインナップメーカーではなく、いくつかの主力モデルが販売をけん引するという構成です。

 そして、その主力モデルに搭載されている既存の水平対向エンジンでは、CAFE規制をクリアできないことは明らかだったのです。

 そこで、新型レヴォーグでは、CB型と呼ばれる新開発の1.8リッター4気筒水平対向エンジンを搭載しました。

 さらにインプレッサにはハイブリッド仕様である「e-BOXER」をラインナップするなど、環境性能に優れた新型車を投入することで、厳しい規制への対応を図っているといえます。

 つまり2020年度基準を達成するために、主力モデルのモデルチェンジを急いだというのが真相だと考えられるのです。

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コメント

2件のコメント

  1. 元富士重工業KК大宮製作所技術部汎用E/G390CC開発販売へ。以後瀕死の自動車事故で医師に。医師にスバル人気あり。もっと水平対向エンジン強調して下さい。ステーションワゴンダブルターボユーチューン使用外車に負けぬ性能です。

  2. 排ガス規制の話ではない。本質は温室効果ガスによる地球温暖化がまったなしの危機的状況にあるという事。その自覚がない阿呆が世の中に多いということ。英政府が、ガソリン車、ディーゼル車の新車販売を、ハイブリッド(HV)とプラグインハイブリッド(PHEV)も含め2035年に禁止する発表をし、欧州の主要国はすでに2040年前後を目処に内燃機関の新車販売を禁止する。人類が生き残るために今すぐしなければならない取り組みに対して極めて足りていない。当然、時世を読んだ商品を作って売らないと経営もまもなく破綻します。