「ランドクルーザー」人気は万国共通! FJ40系の最新国際マーケット事情とは
アメリカ好みにカスタムされた「ランドクルーザー」の評価は?
RMサザビーズ「AUBURN FALL」オークションには、1967年型ランドクルーザーFJ40がもう1台出品されていた。
前ページでご紹介した個体が、オリジナル性にこだわってレストアされているのに対して、こちらはWEBカタログに「A tastefully modified Land Cruiser」と記されることからもわかるように、いかにもアメリカ的なオフローダーに仕立てられた1台だ。
●1967 トヨタ「FJ40ランドクルーザー」
現在ではハードトップを固定したFJ40Vスタイルとなっているが、カタログにはかつてソフトトップと外したフルオープン状態でメキシコを冒険した写真も添付されている。
そして現状ではレストアされるとともに、サスペンションのリフトアップや大径・極太タイヤの装着など、オフロード走行のためのモディファイが施されている。
加えて、1970年代の段階でオリジナルのF型直列6気筒ガソリンエンジンを降ろし、現在のターボディーゼルに換装。トランスミッションもこの時代のオリジナルである3速MTから5速MTに換装され、油圧アシストつきのクラッチと組み合わされたとのこと。
つまり、現在でもオフロード走行を愉しむための「レストモッド」に仕立てられているのだ。
しかし、たとえヘビーデューティ志向のクロスカントリーカーであるランドクルーザーであっても、オリジナリティが重要視される現在のクラシックカー市場ではマイナス要因になると判断されたのか、エスティメート(推定落札価格)は、同じオークションに出品されたオリジナリティの高いFJ40と比べると明らかに低めとなる4万2000−4万8000ドル、つまり約445万円−約510万円に設定されていた。
ところが9月3日におこなわれた競売では、こちらもリザーヴ(最低落札価格)に届くことなく終わってしまい、現在ではRMサザビーズ社営業部門で「継続販売」となっている。
●1986 トヨタ「FJ45ランドクルーザー・ピックアップ」
今回「AUBURN FALL」オークションに出品された3台のランドクルーザー40系のなかで、唯一「Sold(成約)」に至ったのは、1986年型のFJ45ピックアップである。ロングホイールベースにリア・ベッド(荷台)を組み合わせた、いかにもアメリカ好みな小型トラックである。
ショートボディおよびミドルボディのランドクルーザー40系は1984年までに生産を終え、ロングボディのみは翌1985年まで輸出向けに生産されたというのが定説となっているそうだが、この個体が「1986年型」を標榜するのは、おそらくは初年度登録年に準拠しているものと思われる。
FJ45ピックアップは、主に海外輸出に向けて製造されたとのことで、この個体には1975年から設定されつつも、ディーゼル主体となっていた日本向けには設定のなかった「2F」型4.2リッター直列6気筒ガソリンエンジンが搭載される。
またRMサザビーズ社のオークションWEBカタログによると、フルレストアが施されるとともに、オーストラリアARB社製「オールドマン・エミュー」サスペンションおよびワイドな大径タイヤによるリフトアップがおこなわれるなど、ランドクルーザーでは定番のモディファイがおこなわれた1台とのことであった。
そして2020年9月3日の対面型の競売では、オークションハウス側に支払われる10%の手数料込みで3万8500ドル、邦貨に換算すると約410万円で落札されることになったのだが、これは近年のランドクルーザー40系の価格相場を思えば、かなりリーズナブルともいえる落札価格であった。
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翻って日本国内マーケットの相場を中古車専門WEBサイトで見ると、2020年10月現在でも20台近いランドクルーザー40系が流通している。
特に安価なものでは100万円台の売り物も存在するが、レストア済み車両では500万円前後の価格提示がされているものもある。つまりは、新型コロナ禍以降の海外における市場価格と比べても、大きな差はなくなっているようだ。
販売時期やタイプの違いこそあれ、同じランドクルーザー40系が、世界各地で倍ほども隔たった価格で取り引きされることもあるというオークションの醍醐味までも含めて、今後も国際クラシックカー市場における「ヨンマル」の動向に注目していきたいところである。
このB型エンジンってレンジャー2(HV型)とかダイナでは評判悪いエンジンなんだけどランクルだと免除なのか?
何時までこんな屑鉄にバカみたいな価格を付ける信者が出没するのかね?