いわゆる「自動ブレーキ」過信しすぎ? 「基本はシートベルト」 未だ100%達しないベルト着用率の現状

日本における現状のシートベルト着用率はどれくらい?

 それでは、日本ではシートベルトはどのように使われているのでしょうか。

 運転席でのシートベルト装着が義務化されたのは、1969年4月1日。後席でのシートベルトは2008年の改正道路交通法により着用が義務化されています。

シートベルト着用率は前席と後席で大きく異なる
シートベルト着用率は前席と後席で大きく異なる

 警察庁によると、シートベルトの効果はふたつあると説明します。ひとつは、交通事故に遭った場合の被害を軽減すること。もうひとつは、正しい運転姿勢になることで疲労を軽減させることです。

 では、シートベルトの着用率はどれほどなのでしょうか。

 国土交通省と日本自動車連盟(JAF)は、2019年11月5日から11月21日にかけて「シートベルト着用状況全国調査」をおこなっています。

 調査対象者は、一般路では、運転者30万人、助手席約5万人、後席5.6万人。また、高速道路では、運転者5.6万、助手席1.9万人、後席1.3万人と、かなり大規模な調査でした。

 その結果、シートベルト着用率は、一般路では運転席で98.8%。14年前にあたる2005年調査の92.4%から上昇しています。

 助手席については、2005年の80.3%から95.9%へとさらに大きく上昇しています。

 一方で驚くべきことに、2008年に着用が義務化された後席では、39.2%にとどまっているのです。義務化直前の2007年調査時の8.8%に比べると、伸びてはいますが……。

 高速道路では、2019年時点で運転席が99.6%、助手席が98.3%、後席が74.1%となり、こちらも後席でのさらなる着用が求められる状況です。

 また、警察庁による「シートベルト着用関連統計」によると、シートベルト着用有無別死亡者数では、非着用死者の比率は、2019年が42.8%。

 過去10年間のデータで見ると死亡事故総数は減少しているものの、シートベルトを非着用で死亡した人の割合は40%台で推移しています。

 これを座席位置で見ると、シートベルトの非着用で死亡した人の割合は、運転席が41.9%、助手席が22.7%、そして後席が64.6%と高くなります。

 衝突安全、予防安全、双方の視点から、日本でも改めてシートベルト着用の重要性についてユーザー自身が認識する必要があると感じます。

【画像】自動ブレーキ過信しすぎ? 安全の基本「シートベルト」の着用率は(10枚)

まさか自分のクルマが… 高級外車のような超高音質にできるとっておきの方法を見る!

画像ギャラリー

Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。

1 2

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

1件のコメント

  1. 高速バスのマスク着用率とシートベルト着用率比べりゃ分かるね、大半シートベルトなんてしてねーよw、そのくせマスクはキチガイみたいに敏感だからな、マジに局地的なアホ正義だなw

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー