なぜ最近のセダンはスポーティさ強調? 速さを強調する理由とは SUVに押されるセダン人気
古くから、クルマの基本的なボディタイプと言えばセダンでした。しかし、近年のトレンドはSUVやミニバンであり、セダン人気は低迷しつつあります。そんななか、最新のセダンの多くが「スポーティ」であることをアピールしていますが、その背景には何があるのでしょうか。
クルマの基本はセダンからSUVへ?
戦後、急激に発展してきた日本の自動車産業ですが、モータリゼーションが本格化しはじめた高度経済成長の頃、クルマの基本的なボディタイプといえばセダンでした。しかし、近年のトレンドはSUVやミニバンであり、セダン人気は低迷しつつあります。
そんななか、最新のセダンの多くが「スポーティ」であることをアピールしていますが、その背景には何があるのでしょうか。
かつてのセダンは車種によってはクーペやワゴンなどもラインナップされていましたが、それらは基本的にはセダンからの派生モデルという位置づけでした。
現在でいうところのSUVやミニバンに近いものも一部存在していましたが、あくまで軍用や商用など用途が限定されているものがほとんどでした。
乗用車の基本は、ボンネット・キャビン・トランクがそれぞれ独立した形状、つまりセダンであり、特定の目的がある人でなければ、それ以外のボディタイプを積極的に選択する人はあまりいなかったといわれています。
一方、現在の新車のラインナップを見るとむしろセダンは少数派です。とくに近年では国内外の各メーカーがSUVに力を入れており、世界的なトレンドとなっています。
加えて、コンパクトハッチバックやミニバン、そして軽自動車が乗用車販売のほとんどを占めており、むしろセダンを選択する人が少なくなっているといいます。
あえていまセダンを選択する人はどのような人なのでしょうか。国産メーカーの販売店スタッフは次のように話します。
「セダンを選ぶお客さまは、そのモデルでなければならない方、もしくは『クルマといえばセダン』という方がほとんどです。つまり、ほとんどがいわゆる『指名買い』であり、なんとなく選ぶ人はほとんどいません。
あまりコストを掛けたくない人や、運転のしやすさを重視する人には軽自動車やコンパクトカーがありますし、多人数乗車がメインの方はミニバンに興味を示します。
トレンドに敏感な人や、アクティブな趣味をお持ちの人は、近年ではSUVを検討されることが多くなっています。これらのボディタイプと比べると、セダンにはわかりやすいメリットがなくなってきており、『指名買い』に頼っているのが現状です」
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かつては技術的な制約もあり、セダン(とくにFRセダン)こそがもっとも合理的なボディタイプとされてきました。
しかし、近年では技術の進歩により、居住性やデザイン、運動性能、燃費性能、そして安全性を兼ね備えたボディタイプが可能となりました。
消費者にとって選択肢が増えたことで、結果としてセダンは少数派になってしまったといえます。
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