次世代の三菱「エボ」モデルを学生がデザイン!? スポーツカー復権に向けた未来の三菱車とは
専門学校HAL(以下、HAL)は、三菱とHALのカーデザイン学科との産学連携プロジェクトを実施し、最終プレゼンテーションで学生たちは三菱の現役デザイナーに向けて作品を発表しました。学生たちが考える未来の三菱車とは、いったいどんなデザインなのでしょうか。
スポーツカーブーム再燃を予想する学生がデザインした三菱車とは
専門学校HAL(以下、HAL)は、三菱とHALのカーデザイン学科との産学連携プロジェクトを実施し、学生たちは今までのEV(電気自動車)では体験できない価値を持つ「新しいEVの世界観を提案するモビリティ」を企画・提案しました。
「2030 EV for Amazing experience」をテーマに学生がおこなった企画では、「ランサーエボリューションX」や、パリ-ダカールラリーに参戦するモータースポーツ車両などもモチーフとされたようです。いったい学生たちは、どんなモビリティを企画したのでしょうか。
HALは、今回の産学連携プロジェクトの最終プレゼンテーションをオンラインで実施。
学内プレゼンテーションを勝ち抜いた3名の学生たちは、三菱のデザイン本部長・渡辺誠二氏をはじめとした現役のデザイナーに向けて、渾身の作品を提案し、譚振輝さんの作品がグランプリに選ばれました。
譚振輝さんの作品は「HALF GARAGE」という作品を制作。左右非対称のデザインとしたうえで、ドアの開口部を大きくとることで、自転車のような大きな荷物もそのまま載せることが可能な、自由な車内空間の使い方ができるクルマを提案しています。
譚振輝さんは自身の作品について「技術の進歩によりクルマは家電化していき、同時にクルマ本来の楽しさも求められると予想。モジュール化やプログラミング技術により、ユーザーが自由にカスタマイズできる体験を提供します。
アウトドア好きをターゲットに、助手席側をカスタマイズできる自由空間とし、クルマがアウトドア生活を支える相棒に。デザインは左右非対称で、片側の自由空間を強調しました。積んで楽しく冒険できるクルマです」と解説しています。
弘津悠耶さんが制作した「Water strider」という作品は、ドリームアワードを受賞。
スポーツカーが趣味のアイテムとして再注目を集めるという仮説のもと、三菱の持つ4WD技術やランサーエボリューションシリーズに代表されるスポーティなイメージなどを融合。
アメンボが水上で踏ん張るイメージをデザインに落とし込みました。
作品イメージには、ランサーエボリューションXや、WRカー「ランサーWRC05」も含まれています。
弘津悠耶さんは自身の作品について「自動運転が進む社会でも、クルマを趣味とする人にスポーツカーブームの再燃が起こると予想し、30代男性をターゲットに、次世代型スポーツモビリティをコンセプトとしたクルマを提案します。
『4WD』『リーン』『EV』『スポーティ』の4つの要素を持ち合わせ、エキサイティングな体験を可能に。スタイリングテーマは『アメンボ』で、4方向に足が伸びる踏ん張り感や、水の上をスイスイ進む様子から、EVのモビリティが音も立てずにきびきびと進んでいく様子を表現しました」と解説しています。
木下翔太さんが制作した「ROBOT RALLY RACE MOBILITY」という作品は、チャレンジアワードを受賞。
三菱がロボットラリーに参戦するという想定のもとデザインした、次世代のモータースポーツ車両というイメージを具現化。作品イメージには、クロスカントリーラリーに参戦する三菱車のイメージも含まれています。
木下翔太さんは自身の作品について「三菱が10年後ロボットラリーに復活することを想定し、技術の進化を感じさせ、先駆けとなるモビリティを提案。
コンセプトは『Give life』。『Clean×Breath』をキーワードに、EVのエコなイメージと、有機的な生物感、躍動感をイメージしてデザインしました。
重心のピークをセンターに、タイヤ4つを地面に踏ん張らせ、キャビンはヘルメットのようなイメージ。すべて合わさることで全方位から守る力強さを表現しました」と解説しています。
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学生たちの作品を見て、三菱のデザイン本部長・渡辺誠二氏は「『クルマが好き』という熱い気持ちを感じ、嬉しく思いました。これから社会人になって夢を持つこと、意志の強さが大事になります。自分が描いたデザインを振り返り、今まで見たことないデザインだったかどうか確認してみてください」と、学生たちにエールを送りました。
また、デザイン本部のデザインマネジメント部長 竹林恵司氏は「三菱自動車としても人材発掘や、刺激になる貴重な機会でした。オンラインでの実施で難しかったと思いますが、このような環境でも洗練されたプレゼンテーションを実施されていて感激しました」とコメント。
エクステリアデザイン部 担当部長の吉峰典彦氏は「どんどん成長していく姿が見えて楽しかったです。三菱に対してどういうクルマを提案したらよいか、皆さんそれぞれが考えられていて刺激になりました。どこかでお会いできる日を楽しみにしています」とコメントしました。
未来の三菱車がどのようなデザインになるのか、注目されます。
いくらデザイナーや技術者が頑張ろうとも上層部があれほど腐りきっていては・・・。
願わくは自分が生きているうちに新しいランエボ、パジェロを見たい。無理だろうが。