ホイールは軽いほうがイイはウソ!? バネ下重量を見直してみた

「バネ下重量の軽減」は、メリットばかりじゃない! デメリットとは?

 バネ下重量の軽減は、走りを楽しむという面では有効な場合が多いが、乗り心地面では必ずしもメリットばかりではない。

 本文中で、バネ下重量の軽減は乗り心地に影響を与える、という表現をしてきたのは、そのためだ。

ホイールの重量は、クルマの乗り心地に大きく影響を及ぼす
ホイールの重量は、クルマの乗り心地に大きく影響を及ぼす

 バネ下重量を軽くすると、サスペンションの動きは当然良くなる。そのため、路面のうねりなどに対して追従性が良くなり、乗り心地も良くなることが多い。しかし、荒れた路面などを走行するときの細かな振動に対しては、重たいときよりも動きが敏感となり、かえって乗り心地が悪くなるケースもある。

 重たいホイールの場合には、タイヤを押しつぶす力が強いために、細かなギャップの振動などはタイヤが吸収してくれる場合が多い。しかし、軽いホイールではタイヤが振動を吸収せず、車体にまでその細かな動きが伝わってくるということもある。

 こうした場合には、振動吸収性に優れたタイヤに交換することで対処は可能だ。といっても、タイヤ選択とその相性は、各ドライバーの運転方法だったり感性によるところが大きいため、走りを楽しむためにバネ下重量の軽減をするのか、あるいは乗り心地のためにおこなうのか、タイヤを交換する前に目的に合わせたチョイスが必要となる。

 おおまかにいうと、高級といわれるほど、クルマのバネ下重量はさほど軽くない傾向にある。これは細かな振動を乗員に伝えないために、あえて重くしているといっていいだろう。ファミリーカーなどに純正装着されているホイールが、結構重たいのも同様の意味合いがある。

 自動車メーカーは、狙ったカスタマーに合わせて、パーツを選んでクルマ作りをおこなっている。当然、なにかしらのカスタマイズをおこなうと、オーナーにとってのメリットを得ることはできるが、反面、デメリットも出てくることを覚えておきたい。

●チタンボルトは高いだけなのか?

 例えば、軽量化を求めて輸入車ではハブボルトを、国産車ではホイールナットをチタン素材のものに交換することがよくある。

 たしかに重量は軽く、その点では有効なアイテムではあるのだが、チタンは鉄などと比べると硬く、伸びにくいという特性がある。そのため、締めつけトルクが強いと、破断する恐れがある。

 チタンボルトやナットを使う場合には、必ずトルクレンチを使って、締めすぎないよう注意が必要だ。適正の締めつけトルクは、普通車の場合、90−110Nm程度。また、ホイールボルトやナットは、熱が加わることによって緩みが生じるので、定期的に締めつけトルクを確認しておくことも大事なポイントとなる。

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