若者の「昭和レトロブーム」に車はなぜ乗っかれない? トレンドに即対応できない訳
日産新型「フェアレディZ」のデザインは何をオマージュしている?
また、パイクカーが高い人気を得たバブル期は、遊び心のあるクルマを選んでもらえる風潮がありました。実用性を気にせず、雰囲気でクルマ選びをする人がたくさんいたのです。
しかしいまは、堅実な定番商品を選ぶ傾向が高まっています。そうなると、デザインを重視したクルマはますます難しくなるでしょう。
そのうえ、クルマを購入する層と、レトロブームに乗っている層が重なっているかも大切。いまの昭和レトロブームの主体が若者だとすれば、彼らや彼女らがクルマを買う層といえるかどうかもポイントになってきます。
そう考えると、一過性の昭和レトロブームに乗ってクルマを作り販売するのは難しいといわざるを得ないでしょう。
しかし世界を見回すと、“古き良き時代”のノスタルジーを重視したデザインを基本としているジャンルがあります。アメリカンマッスルカーです。
フォード「マスタング」やシボレー「カマロ」、そしてダッジ「チャレンジャー」など、2000年代に入ってから登場したアメリカンマッスルカーは、1960年代から70年代の雰囲気を持ったデザインで人気を博しています。
その背景にあるのは、購入層との親和性の高さでしょう。
アメリカンマッスルカーを選ぶのは、かつて子供の頃に憧れた、もしくは昔の雰囲気に魅力を感じる人たち。一過性のブームではなく、毎年コンスタントに年間約5万台以上を販売しているヒット商品となっています。
だからノスタルジックなクルマ作りが成立するのです。
ところで、先日発表された次期型の日産「フェアレディZ」のデザインは、フロントがS30型と呼ばれる初代モデル、リアは1989年にデビューしたZ32型のオマージュといいます。
つまり、かつての雰囲気を反映させた意匠であり、それは一過性のブームを反映しているのではなくスポーツカーの「懐古主義」の流れに乗ったものといえるかもしれません。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
大手メーカーや安全装備にこだわらなければ、自作か、中小メーカーに依頼ですね。いずれにしても、自作でなければお金がかかりますね。
新型ZはもちろんですがラパンとかアルトとかトコットとかNシリーズとか軽自動車は往年の名車や自社の旧作の復刻が多いので、やはり車もレトロを意識したものが多いですよ。最近のアメ車なんて大抵昔のモデルがモチーフですし。カマロとかチャレンジャーとか。やっぱり何事もレトロ調とは無縁ではないでしょう。
N OneなんてまんまN360ですし。