なぜ車名に「クロス」増えた? 十字の意味ではない… SUVに多数採用する理由とは
現在ラインナップされている「クロス」なクルマたち
SUV市場が活発になった2000年代後半から、「クロス」の付いたクルマが続々と登場するようになりました。
また、BMWのSUVは「X(エックス)」シリーズで「クロス」のことを指しますし、ボルボのSUVも「XC(エックスシー)」は「クロスカントリー」の略。マツダのラインナップでもSUVは「CX-」で始まり、「C」は「クロスオーバー」のことです。
車名に「クロス」と短く使っている場合は、クロスオーバーの略でもありますが、クロスカントリーのタフなイメージも感じさせたいという意図もありそうです。
上記のほかに、現在販売されているクルマでモデル名やグレード名に「クロス」を関している例をざっと見てみましょう。まずは、おもな日本メーカーのクルマでは、次の通りです。
・トヨタ:ヤリスクロス
・トヨタ:カローラクロス(タイ市場)
・トヨタ:アクア・クロスオーバー
・ホンダ:フィット・クロスター
・ホンダ:フリード・クロスター
・スズキ:クロスビー
・スズキ:SX4 S-CROSS
・三菱:エクリプスクロス
・三菱:eKクロス
・三菱:eKクロススペース
アクアやフィット、フリードは厳密には車名ではありませんが、SUVテイストを盛り込んだグレードとして「クロス」が入った名称を採用しています。
次に海外メーカーのラインナップは次の通りです。
・フォルクスワーゲン:T-CROSS
・MINI:クロスオーバー
・シトロエン:C3エアクロスSUV
・シトロエン:C5エアクロスSUV
・DSオートモビル:DS3クロスバック
・DSオートモビル:DS7クロスバック
・ボルボ:V40クロスカントリー
・ボルボ:V60クロスカントリー
・ボルボ:V90クロスカントリー
・フィアット:500X(エックス)
また、テスラのモデルX(エックス)もクロスオーバーSUVで、明言されてはいませんが、やはり「クロス」のニュアンスが込められていそうです。
キャデラックではSUVが「XT」で始まりますが、XLSやXLRなど、他のジャンルもXで始まりますので、別枠としておきましょう。
デイリーユースでもアウトドアでも活躍してくれる「クロス」なクルマたち。既存のハッチバック車の車高を上げただけに見えるモデルもありますが、車高を上げても乗り心地や走行性能を犠牲にせずに済むようになった、メーカーの技術の進歩も見逃せないポイント。クロスオーバーSUVの人気はまだまだ続くでしょう。
細谷俊彦さん、crossは交差するという語源(大辞林等)ですので、十字という意味もオンロードオフロードを跨いでして乗れるという意味も根本は同義です。