ワゴン需要減少でもなぜ新型投入? スバルが「レヴォーグ」を刷新する狙いとは
国内市場ではSUVやミニバンの人気が高まるとともに、ワゴンの需要は低下し、国産車のラインナップも減少しています。そんななか、スバルはワゴンの「レヴォーグ」をフルモデルチェンジします。スバルが新型モデルを投入する狙いは、どのようなことなのでしょうか。
ワゴンが下火でも、なぜスバルは新型モデルを投入する?
かつてのワゴン(正確にはステーションワゴン)は、車種数も多く、相応に人気の高いカテゴリでした。
しかし近年になると、国内では車内が広いミニバンが人気を集め、ワゴンの売れ行きは下がりました。北米ではSUVの需要が増して、同様にワゴンが下火になっています。
その結果、国産ワゴンは次々に廃止。トヨタ「カルディナ」「マークIIブリット」、日産「アベニール」「ステージア」、ホンダ「アコードツアラー」など、すべて過去のクルマになっています。
現在販売されている国産ワゴンは、トヨタ「プリウスα」や継続生産型の「カローラフィールダー」を加えても、合計6車種程度です。
このような状況で、ミドルサイズワゴンのスバル「レヴォーグ」がフルモデルチェンジを実施します。
新型レヴォーグは2020年8月20日に先行予約を開始して、10月15日に正式「発表」をおこない、11月27日に納車を伴う「発売」となります。
先行予約の開始から発売までに3か月もあると、メーカーにとっては売れ筋動向が分かって生産効率を高められますが、ユーザーは納車まで延々と待たされます。
こういった売り方には疑問がありますが、ワゴンの車種数が減っている現状を考えると、新型レヴォーグは貴重な新型車でしょう。
ワゴンが売れない時代ですが、スバルがレヴォーグをフルモデルチェンジするのはなぜなのでしょうか。
スバルの開発者は次のようにいいます。
「レヴォーグは、『より遠くまで、より速く、より快適に、より安全に』というスバルのグランドツーリング思想と、『レガシィツーリングワゴン』の血統を受け継ぐクルマです。
日本のお客さまに向けた商品として開発され、いまでは国内で売られるスバルの中心的な存在に成長しました。そのためにレヴォーグは進化を続けます」
ワゴンの人気が下がった現在でも、レヴォーグがフルモデルチェンジをおこなう背景には、大きく分けてふたつの意味があるのでしょう。
まずは開発者がコメントした通り、レヴォーグがレガシィツーリングワゴンを含めたスバルの伝統を受け継ぐ車種であることです。
スバルは1966年に水平対向エンジンを搭載する「スバル1000」を発売して、1972年には「レオーネ」のエステートバンに4WDを設定。
1981年には、レオーネにツーリングワゴンが登場して、水平対向エンジン+4WD+ワゴンという組み合わせが築かれました。
その後、レオーネは熟成を重ね、1989年にはレガシィに発展。レガシィツーリングワゴンが新たな進化を開始しました。
このようなスバルの営みを継承する車種がレヴォーグなので、いわばブランドの根幹に位置する存在です。やめるわけにはいかないでしょう。
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