9割が新規顧客! ホンダとトヨタが新車販売以外に力を入れる狙いとは

ホンダは、サブスクリプションサービス「ホンダマンスリーオーナー」の展開エリアを、愛知県に拡大したと2020年9月10日に発表しました。同年9月8日にはトヨタが中古車をオンラインで注文できる「トヨタ中古車オンラインストア」を立ち上げるなど、新車販売以外の事業を強化する自動車メーカーが多くありますが、その狙いはいったい何なのでしょうか。

「所有と利用の間のニーズ」に注目 ホンダのサブスクの特徴は?

 ホンダは、サブスクリプションサービス「ホンダマンスリーオーナー」の展開エリアを2020年9月10日に拡大したと発表しました。近年、自動車メーカーのなかには新車販売以外の取り組みを強化する企業も存在しますが、その狙いとはいったい何なのでしょうか。

ホンダの「ホンダマンスリーオーナー」ウェブサイト(画像:ホンダ公式ウェブサイト)
ホンダの「ホンダマンスリーオーナー」ウェブサイト(画像:ホンダ公式ウェブサイト)

 ホンダマンスリーオーナーは、ホンダが2020年1月28日に埼玉県和光市の販売店(U-Select城北)で開始したサービスで、ホンダ認定中古車を月々定額で最短1か月から最長11か月まで利用可能です。

 日本で展開される自動車メーカー系のサブスクリプションサービスには、トヨタの「KINTO」や日産の「ClickMobi」などが存在しています。

 しかし、トヨタや日産と異なるホンダのサービスの特徴としては、新車ではなく中古車がラインナップされること、1か月単位で利用できて契約時に利用期間を決めなくてよいことが挙げられます。

 これまで1店舗のみの展開でしたが、2020年9月10日から愛知県の4つの販売店でもサービスが開始され、2020年中には北海道、宮城県、群馬県、神奈川県、大阪府、岡山県、福岡県でも展開される予定です。

 ホンダマンスリーオーナーを開始した背景について、ホンダの担当者は若者を中心とした「クルマ離れ」に対する自動車業界全体の危機感があったといい、次のように話します。

「29歳以下の自動車普及率について、2009年には59.1%だったのですが2017年には47.9%まで下落しています。また、自動車販売台数も今後下落することが予測されるなか、カーシェアリング市場は右肩上がりで推移しています。

 クルマの所有・利用形態が多様化するなか、弊社はクレジットサービスの拡充や、自社で展開するレンタカー・シェアリングサービスの提供に加え、『所有と利用の間のニーズ』に注目し、ホンダマンスリーオーナーの提供を開始しました」

 和光市の販売店で導入した際のユーザー層について、ホンダは次のように説明します。

「若年層をターゲットのひとつに設定して商品を開発しましたが、『20代』から『60代以上』までの年代別会員特性をみると、『30代』がもっとも多く27%、次いで『50代』が24%を占めており、幅広い年代層に利用いただいています。

 一方、既存のお客さまと新規のお客さまの割合を見ると、新規(U-Select城北、もしくはホンダのカーシェアサービス・EveryGoを利用していないユーザー)が9割を占めており、新たな顧客接点の創出にもつながっているといえます」

※ ※ ※

 9月時点で、和光市の販売店では50台前後がサービスに提供されており、稼働率は2020年4月以降は99%以上を記録しているといいます。

 サービスの利用者に利用の目的について聞いたアンケートでは、「買い替え検討を目的とした試乗」という回答が44%ともっとも多く、実際にクルマの購入につながった事例も数件あるといいます。

 しかし、「通勤・単身赴任」(19%)や「ウインタースポーツ、キャンプなどの趣味」(17%)と回答したユーザーも存在し、4月以降のコロナ禍では「コロナ対応として、通勤での使用を考えている」という声を寄せるユーザーもいるということです。

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