「Gクラス」がレースカーに!? ヴァージル・アブローとのコラボ作品完成!

まるでレーシングカーの「Gクラス」とは?

 Gクラスはこれまでにも6輪モデルなど多くのモデルを生み出しているが、レースカーとしては一度も作られたことはない。今回の「プロジェクト・ゲレンデヴァーゲン」で完成したデザインは、Gクラスとしての原点を忘れることなく、レーシングカーの経験も同時に表現されている。

 デザインプロセスでは、ワグネルとアブローがGクラスを実際に所有してGクラスを体験し、メルセデスAMGのレーシングスピリッツに触発されることからスタートした。

 洗練された完璧な美学から、ラグジュアリーをもっと生々しく、自然で、よりシンプルなものへと追い込みながら、見る人に新鮮な視点でメルセデス・ベンツのデザインを見てもらうにはどうすればよいかを、ワグネルとアブローの2人で考えたという。

インテリアは、SUVらしさは一切残っておらず、レースからのインスピレーションでまとめられた
インテリアは、SUVらしさは一切残っておらず、レースからのインスピレーションでまとめられた

 エクステリアは、Gクラスの象徴的なシルエットを強調するために、できるだけすっきりとしたデザインとされている。最終的なデザインでは、むしろクルマの基本骨格をむき出しにして見せることで、ハンドクラフトのよさを活かしたユニークなものに仕上がった。

 ウインカー、サイドミラー、バンパーバー類はすべて取り外され、ボディをワイド&ローダウンし、よりスポーティな印象となっている。

 インテリアは、SUVらしさは一切残っておらず、レースからのインスピレーションでまとめられた。内装はすべて剥ぎ取られ、ロールゲージが組まれている。またダッシュボードも取り外され、クラシックカーを彷彿とさせるアナログ式のスピードメーターと燃料計を採用したすっきりとしたメーターパネルとなった。ステアリングホイールやシートは、よりF1に近い印象だ。

 ロールゲージや5点式シートベルトなどの安全装備や重要なレース用のパーツは、ベビーブルーと鮮やかな赤を基調とした色調で強調された。これらの強いアクセントカラーは、ホワイトでむき出しのインテリアとのコントラストを生み出すことに成功している。

 プロジェクト・ゲレンデヴァーゲンは、ファッション、アート、自動車の世界がひとつの共通のパッションで結ばれて実現したものだ。表現されているものは、メルセデス・ベンツが本来もっている非凡さへの理解、ラグジュアリーデザインの未来への大胆なビジョン、そして夢を見る力、だ。

 このプロジェクトを現実化するために、世界初の自動車メーカーであるメルセデス・ベンツの伝統を受け継いだ独自のクラフトマンシップとノウハウが存分に駆使されていることは、いうまでもないだろう。

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Writer: VAGUE編集部

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