期待は大きかったけど残念な結果に!? 名車に成りそこねた車5選

大ヒットするクルマがある影で、ヒットに恵まれないクルマや、不運な運命で消えていったクルマも存在。そこで、大きな期待を背負って開発されながらも残念な結果になってしまったモデル5車種を、ピックアップして紹介します。

志は高かったけど名車になれなかったクルマを振り返る

 自動車の製造が始まってから、130年以上が経過します。その間に、世界中に影響を与えた名車が、何台も登場しました。

記録より記憶に残る迷車たち
記録より記憶に残る迷車たち

 そうした名車と呼ばれるクルマは、決して販売台数が多いとは限りませんが、後世でも語り継がれる存在です。

 一方で、大きな期待を背負って開発されながらも、残念な結果になってしまったモデルも存在。そんな名車に成りそこねたクルマを5車種、ピックアップして紹介します。

●オーテック・ザガート「ステルビオ」

バブル絶頂期に誕生した高級クーペの「ステルビオ」
バブル絶頂期に誕生した高級クーペの「ステルビオ」

 創業から100年を経過するイタリアの老舗カロッツェリア「ザガート」は、現在は「SZデザイン」に社名を変え、継続して工業デザインをおこなっています。

 かつてはアルファロメオやランチアといったイタリア車を中心に設計、製造をおこなってきましたが、近年はアストンマーティンなどのデザインも監修。

 日本車とのつながりは数少ないのですが、もっとも有名なのが1989年に発売されたオーテック・ザガート「ステルビオ」ではないでしょうか。

 ステルビオはオーテックジャパンが開発し、主要コンポーネンツは日産2代目「レパード」から流用され、デザインはザガートが担当しています。

 生産はベースとなるレパードのシャシを日本からザガートに送り、アルミ製ボディパネルやカーボンファイバー製ボンネットなどを架装して輸入され、オーテックジャパンが販売するというものでした。

 外観はザガードにより全面的に変更された2ドアクーペで、ボンネットに内蔵されたフェンダーミラーが特徴的です。

 内装はレパードと共通のインパネとセンターコンソールながら、ダッシュボードやシートが本革張りに変更され、メーターパネルやセンターコンソールなどに本木目もふんだんに使われるなど、高級なイタリアンスポーツカーの雰囲気に仕立てられました。

 搭載されたエンジンはオーテックジャパンのチューニングにより、最高出力280馬力を発揮する3リッターV型6気筒ターボの「VG30DET型」で、トランスミッションは4速ATのみが設定せれています。

 当時の価格は1870万円で200台の限定販売と、まさにバブル景気を象徴するような1台ですが、実際はかなりクオリティに問題ありました。

 日本に陸揚げした時点でシャシや足まわりがサビていたり、チリが合っていないなど、オーテックジャパンでの手直しが必要で、納車までにかなり手間と時間がかかったといいます。

 これほど贅を尽くしたクルマでしたが、現在はプレミア価格というほどではなく、中古車が200万円台から300万円台の価格で販売されています。

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●トヨタ4代目「クラウン」

当時はデザインが酷評された4代目「クラウン」
当時はデザインが酷評された4代目「クラウン」

 現在もトヨタを代表するプレステージサルーンの「クラウン」は、1955年に初代が発売されました。当時はまだマイカーが誰でも持てるような時代ではなく、クラウンは誕生した時から高級車に分類され、代を重ねます。

 そして、1971年に発売された4代目クラウンでは、それまでの国産高級セダンとは一線を画する外装デザインにボディ同色バンパーの採用や、曲面を多用したフォルムなどが斬新でした。

 ボディタイプは4ドアセダンを基本とし、2ドアハードトップ、ステーションワゴン、ライトバンを設定。トップグレードにはシリーズ初の2.6リッター直列6気筒エンジンを搭載するなど、高級車としての存在感をアピールしています。

 また、現在はすべてのクルマが搭載する電子制御燃料噴射装置を早期に採用し、電動リクライニングシートやアイドリングストップ機能など、当時の最先端技術が投入されました。

 しかし、4代目の斬新な外観は保守的なユーザーから敬遠されてしまい、販売は低迷。ライバルの日産「セドリック/グロリア」に販売台数で負けてしまったことから、後に「クラウン史上最大の失敗」と揶揄されたほどです。

 そこで、トヨタは発売からわずか3年後の1974年に、直線基調で重厚感のあるデザインに一新された5代目を発売し、販売台数を回復させました。

 しかし、当時は受け入れられなかった4代目のデザインですが、現在は再評価されてファンも多く、クラシック・クラウンのなかでも高い人気を誇っています。

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●マツダ4代目「ファミリア」

4代目「ファミリア」は記念すべきモデルになるはずだった!?
4代目「ファミリア」は記念すべきモデルになるはずだった!?

 マツダ「ファミリア」は、かつて同社の主力車種として販売された、現在の「マツダ3」の先祖的存在です。

 初代ファミリアは1955年に誕生し、ボディは4ドアセダンを基本に、2ドアクーペやステーションワゴンなど、多彩なラインナップを展開。

 1967年に登場した2代目では、ロータリーエンジンを搭載する高性能モデルも登場しています。

 そして、1970年代になると小型車は3ドアハッチバックや5ドアハッチバックが主流になりつつあったことから、マツダも1977年に2BOXスタイルの4代目ファミリアを発売。

 外観は全体的に丸みを帯びたデザインで、1975年に発売された2代目「コスモ」に似た縦格子デザインのフロントグリルが特徴的でした。

 この上級車種をイメージさせる戦略が成功し、当初は販売も好調で、ヒット作になります。

 しかし、先代から引き継いだシャシの基本設計は古く、駆動方式はFRを採用。ライバルモデルが続々とFF化されて、広い室内空間を実現していたことから、販売は低迷してしまいました。

 そうした状況から、1980年に「赤いファミリア」として有名な5代目へとモデルチェンジ。FFを採用して室内を広くし、直線基調のシャープなボディデザインと相まって大ヒットを記録します。

 本来ならば最後のFRモデルとして4代目は記念すべきクルマですが、5代目のヒットの影に隠れてしまいました。

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