よく見るとちょっと違う!? 国内では売られていない海外仕様の日本車5選
海外ではクーペやセダンもラインナップ
●インフィニティ「Q60」(日産「スカイラインクーペ」)
「スカイライン」は日産を代表するモデルのひとつですが、過去にはさまざまなボディスタイルをラインナップしていました。
プリンス自動車時代の初代モデルでは4ドアセダン以外に派生車の2ドアやオープンモデルが用意されるとともに、「ハコスカ」の愛称で知られる3代目からはワゴンやバンもラインナップ。先代にあたる12代目ではSUVの「スカイラインクロスオーバー」も登場して話題になりました。
しかし、2013年にデビューした現行スカイライン(V37型)は4ドアセダンのみです。
この背景には、クーペ需要の減少や「GT-R」のスカイラインからの独立などといった理由があったのですが、それはあくまでも日本国内での話。
一定の販売台数が見込める北米市場では、このスカイラインにもクーペボディが用意されています。
ただし、日産ブランドではなく、高級ブランドのインフィニティでの扱いとなり、「Q60」という車名で販売されています。なお、日本のスカイラインと同じセダンタイプは、インフィニティ「Q50」というモデルになります。
Q60のメカニズムや基本的なデザインはセダンに準じていますが、内装のカラーバリエーションが多く用意されるなど、セダンより少しラグジュアリーな位置づけです。
搭載されるエンジンは全車3リッターV型6気筒ターボ。300馬力仕様とハイチューン版の400馬力仕様があるのは日本のスカイラインと同様ですが、ハイブリッドモデルの設定はありません。
ちなみに、日本へは並行輸入という形で、レーシングドライバーの星野一義氏が代表取締役を務めるホシノインパルで販売されています。
●マツダ「マツダ2 セダン」
マツダのコンパクトカー「デミオ」は、2019年のマイナーチェンジで海外名である「マツダ2」へと車名変更されました。
上質な外観や静粛性を特徴とするマツダ2ですが、海外には伸びやかなスタイリングを持つセダンが存在します。その名も「マツダ2 セダン」です。
なお、セダンボディが販売されている国では、ハッチバックは「マツダ2 ハッチバック」と呼ばれています。
マツダ2 セダンが販売されているのは、南米やアジアです。エンジンは仕向け地によって異なり、メキシコ仕様は1.5リッターガソリン、タイ仕様は1.5リッターディーゼルと1.3リッターガソリンが用意されています。
デザインは、リアに向かって跳ねあがるウェッジシェイプで、スポーティさを強調。同じくセダンの「マツダ3 セダン」や「マツダ6 セダン」より若々しく元気な印象を与えます。
日本にはないマツダ2 セダンですが、じつは2019年から輸入されています。といっても一般販売はされておらず、教習車専用モデルの「マツダ教習車」として教習所に納入されています。
●スズキ「ディザイア」(スイフトセダン)
「ディザイア」はインドにあるスズキの子会社「マルチスズキ」が生産、販売する、コンパクトな4ドアセダンです。
スズキのコンパクトカー「スイフト」のセダン版で、2代目までは「スイフト ディザイア」の名称でしたが、2017年に登場した現行型からは単にディザイアと呼ばれるようになりました。
プラットフォームはスイフトと共通で、ボディサイズは全長が約150mm長いだけ。フロントバンパーは専用のデザインとされ、スイフトとは異なる意匠のフロントフェイスとなっています。
セダンらしいコンサバなシルエットは評価が高く、インドのセダン市場で最も売れているモデルです。
2019年4月から11月には12万台以上を販売し、スイフトディザイア時代からの累計では200万台を超えているといいます。
エンジンは1.2リッターガソリンのほか、日本にはない1.3リッターディーゼルを用意。CVTはなく、どちらのエンジンにも5速MTと5速AGSの2種類が設定されています。
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いずれのモデルも日本ではよく知られているクルマですが、ボディ形式が違うだけで斬新かつ魅力的に目に映ります。
ぜひ日本でも販売してほしいものですが、メーカーの綿密なマーケティングのうえで販売しないという決定をしているのでしょうから、それを覆すのはなかなか難しいといえます。
せめて限定でもと思ってしまいますが、買えないからこそより魅力的に見えるのかもしれません。
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