「これは踏切なのか」 遮断器の代わりにライトセーバーを設置!? 漂う近未来感が話題に
富山県にある赤いLEDライトが浮かび上がるスタイリッシュな踏切が話題だといいますが、どのような場所なのでしょうか。
富山市内のLEDライトで光るスタイリッシュ踏切が話題!
富山県富山市にある踏切がSNSで大きな話題を集めています。近未来感が漂う珍しい踏切だといいますが、どのようなものなのでしょうか。

従来の踏切には、クルマや人が線路内に立ち入らないように遮断器が設置されていますが、富山市の踏切には遮断器は存在せず赤いLEDライトが通行者を足止めする役割を果たしているといいます。
赤いLEDライトは、夜間などの暗いときには世界的SF映画「スターウォーズ」に登場するライトセーバーを思わせる形で赤いライトが左右に照らされています。
そして、電車が通過するとともにライトが点滅し、「電車が来ます。渡らないでください」というアナウンスが流れるのです。
SNSに投稿された映像を見たユーザーは、「かっこいい」「映画みたい」など、好評の声を寄せています。
このスタイリッシュ踏切は、富山地方鉄道の富山港線「富山駅」に設置されたもので、駅構内に踏切電車の停留場が設置されている珍しい構造です。なぜ、こうした珍しいスタイルの踏切に至ったのでしょうか。
富山市の路面電車推進課の担当者は次のように話します。
――LEDライトで赤く点灯するなどのデザインに至った背景について教えてください。
歩行者が安全に横断していただくために、電光表示と音声にて電車の通過をお知らせする施設を設けており、設置にあたっては、都電荒川線大塚駅(文字と音で案内)の事例を参考にしています。
柱や床面のLEDについては、当該箇所が高架下であるため、駅前広場の横断箇所とは異なり、電車の接近が気付きにくいと考え、電光表示と音声に加えてLEDのライン照明を赤色点滅させることで、直感的に気付いてもらえるように設置しています。
――警報音ではなく音声ガイダンスを用いた理由について教えてください。
歩行者に対して音声で呼びかけたほうがわかりやすく、丁寧ではないかと考えてそのようにしており、こどもにもわかりやすいのではないかと思います。同様に電光表示も緑丸、赤丸にしており、誰もが直感的にわかりやすい表示にしています。
――こうした踏切の導入にあたって、富山市民の皆様による反響はなにかございますか。
市民ではありませんが、障害者の方から「大変わかりやすい」「全国の都市交通システムの導入に当たって参考になればうれしい」との意見をいただいています。
一方、報道で「利用者が気付かずに軌道内に進入したら怖い」という意見もありましたが、運転士も歩行者に注意しながら徐行しており、電車からも通過を知らせる音を出すなどしています。
また、富山市内では富山港線のさらなる利便性を図るため、新たに2箇所の停留所の整備を進めています。
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また、路面電車推進課の担当者によると、この踏切は正式には「踏切」としての括りではないと話します。
路面電車の軌道は道路上に敷設することになっており、当該箇所も踏切ではなく道路の横断箇所であるため、歩行者の横断箇所を指導する「歩行者横断指導線」という区画線を設置しています。
踏切のようで踏切ではない、富山駅のスタイリッシュなこの場所は一度見たら忘れられない存在感をもっています。
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