2021年の新型上陸が待ち遠しい! VW「ゴルフ」がベンチマークになった理由とは
高性能モデル「ゴルフGTI」の存在も大きかった
また、初代ゴルフは、1976年に高性能バージョンとなる「ゴルフGTI」を発表する。
この高性能モデルは当時、「ドイツのアウトバーンの追い越し車線を走ることのできる唯一のコンパクトカー」と呼ばれることになる。
当時のコンパクトなハッチバック車へといえば「廉価なのだから、走行性能もそこそこ」というのが常識だった。それをゴルフGTIは吹き飛ばしたのだ。
さらに1977年にはゴルフに1.5リッターのディーゼル・エンジンを搭載するモデルを追加した。これもディーゼル・エンジン搭載車イコール大型車といった当時の常識を覆すものであった。
このディーゼル・エンジンの採用で、ゴルフは高い経済性というイメージも獲得する。使ってよく(優れたパッケージング)、走ってもよく(ゴルフGTIの存在)、それでいてお財布も優しい(経済性の良いディーゼル・エンジン)というクルマになったのだ。
つまり、ゴルフは初代モデルで、優れたパッケージングと走行性能、革新的な技術の採用などを通し、「同じセグメント内のリーダー」「同クラスの目標となるベンチマーク的な存在」というポジションを獲得したのだ。
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そうした新しい技術やクラストップの性能は、その後のVWゴルフの伝統となってゆく。
第2世代「ゴルフII」ではABSを採用。第3世代「ゴルフIII」ではリサイクルへの積極的な取り組みを実施。第4世代「ゴルフIV」以降も、ESPやエアバッグ、そしてダウンサイジング・ターボエンジン「TSI」など、時代時代の最新技術やトレンドを常に先取りし、世代を重ねつつもセグメントリーダーというポジショニングを守り続けたのだ。
そして、そうした偉業を続けてこられた理由のひとつが、ゴルフがフォルクスワーゲンという世界屈指の大メーカーの看板モデルであることだ。
大メーカーならではの優れた技術力と巨大な資本力という背景があったからこそ、歴代ゴルフの挑戦が可能となったのだろう。
また、プレミアム・ブランドではなく、あくまでも大衆車であったことも重要なポイントだ。裕福な限られた人だけのクルマではなく、広い人々の手に届く存在であったからこそ、ゴルフはセグメントリーダーとして認められたのだ。
そして、新世代となる「ゴルフVIII」の日本上陸も間近だ。最新のゴルフもセグメントリーダーにふさわしい内容を守り続けているのかに注目したい。
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