イヤホン通話は赤信号なら問題なし? 「ながらスマホ」件数減少も 複雑な線引
2019年12月1日よりクルマを運転中にスマホの操作や通話に関する罰則が強化されました。イヤホンを使ったハンズフリー通話やカーナビと連動したBluetooth通話は問題ないのでしょうか。また、赤信号で停車中であれば、ながらスマホは違反にならないのでしょうか。
ハンズフリー通話は違法? 複雑な道交法、どう解釈すればいい?
運転中のスマートフォン操作(ながらスマホ)などに関する道路交通法の改正が2019年12月1日に施行されたことで罰則が強化されました。
そのため、運転中の通話に関してはBluetoothやハンズフリーイヤホンなどの活用が推奨されますが、使い方次第では、道路交通法違反になる可能性もあるといいます。どのような使い方が違反となるのでしょうか。
警視庁によると、2019年12月の厳罰化以降、3か月間のながら運転の取り締まり件数は6万4617件となり、2018年の17万2465件と比べ62.5%減少したといい、ながら運転による交通事故件数は363件と前年の660件から45.0%も減少しています。
道路交通法を改正部分としては、いくつかの罰則が強化されました。
スマホや携帯電話などでの通話やスマホやカーナビゲーションなどの画面を注視する行為をおこなった場合の携帯電話使用等(携帯電話使用等[保持])では、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金。反則金は、普通車で1万8000円の違反点数3点に変更となっています。
これにより、罰則が強化されたことで、ハンズフリー通話やBluetooth通話といった手段が注目されていますが、道路交通法 第71条5の5では、「自動車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置を通話のために使用し、表示された画像を注視しないこと(中略)。」とあります。
要約すると、「スマホなど手に持って操作する」もしくは「画面を注視する」こと自体が違反ということになります。
イヤホンでのハンズフリー通話やBluetooth接続での通話は違反にはならないのでしょうか。警視庁の交通課は次のように説明しています。
違反行為となる線引きについて交通課の警察官は以下のように話します。
「携帯電話やナビ画面の操作または注視は違反となりますが、通話すること自体は問題ありません。しかし、通話に関係する操作はクルマが停止している場合に限ります。走行中にスマホ画面やナビ画面を操作した場合は、ながら運転とみなされます。
なお、信号待ちなどでのスマホ操作は、クルマが『完全に』停止していれば、違反とはなりませんが、警察官によっては職務質問をおこなったり、状況によっては厳しく注意をする可能性があります。
渋滞中などでクルマが徐行している状態では、停止とはみなされないため、違反対象となります。
また、ハンズフリーについて、運転中は車外の音が聞こえる状態でなければいけませんが、それが難しいほどの音量や両耳を塞ぐイヤホンやヘッドホンを使って通話をした場合は、都道府県が定める条例などに違反する可能性があります。
走っていたら操作NG、外の音が聞こえなければハンズフリーNG、という点に注意してください」
※ ※ ※
このように、運転中でも機器の使用方法によって通話は可能ですが、自治体の条例や警察官の違いによっては取り締まられる可能性もあるようです。
運転中に通話をしているときは、運転への注意力が少なからず削がれているので危険な行為であるともいえます。運転中に通話をしたいときでも、安全な場所にクルマをきちんと停車してから通話することが望まれます。
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