今では当たり前の装備、昔はいくらだった!? 高額だった頃の車の装備5選
環境性能と安全性能の向上はお金がかかる!?
●フルハイブリッドシステム:トヨタ「ハリアーハイブリッド」
これまでの個々の装備とは異なりますが、近年、急速に普及したのがハイブリッド車です。
1997年に世界初の量産ハイブリッド車であるトヨタ「プリウス」が発売されると、各メーカーが追従し、現在に至ります。
プリウスはハイブリッド専用車として開発されたため、モーター、走行用バッテリー、インバーターなど、システム自体の価格は不明です。
また、プリウスのハイブリッドシステムは現在、「フルハイブリッド」、「ストロングハイブリッド」と呼ばれるもので、後の「マイルドハイブリッド」やモータージェネレーターを利用した簡易的なハイブリッドよりも高価です。
当時、初代プリウスの新車価格は215万円(消費税含まず)と、同クラスのクルマよりも50万円から70万円ほど高額に設定されていましたが、トヨタは赤字も覚悟したバーゲンプライスだったようで、実際の価格はもっと高額だったといわれています。
そこで、2003年に発売された2台目「ハリアー」と、2005年発売の「ハリアーハイブリッド」で価格を比較してみました。
ハリアーハイブリッドのハイブリッドシステムは、2代目プリウスと同様の「THS-II」を搭載した、ストロングハイブリッドです。
同等のグレードで価格(消費税込)を比較すると、ガソリン車が341万円、ハリアーハイブリッドが441万円と、ちょうど100万円差。
ガソリン車が3リッターエンジン、ハリアーハイブリッドが3.3リッターエンジンを搭載し、装備も若干異なることから、この100万円がすべてハイブリッドシステムのコストではありませんが、初代プリウスが価格を抑えていたとすれば、意外と妥当な価格差ではないでしょうか。
ちなみに、現行モデルの「ヤリス」では、ガソリン車とハイブリッド車の価格差が約37万円であることを考えると、かなりコストダウンが図られたといえます。
●先進安全技術:スバル「レガシィ ランカスター ADA」
ここ20年ほどで大きく普及が進んだ装備といえば、衝突被害軽減ブレーキに代表される先進安全技術です。その普及に貢献したのが、スバルの「アイサイト」でした。
アイサイトはVer.1からVer.3まであり、Ver.2からは衝突被害軽減ブレーキによって停止まで制御でき、そのほかにもさまざまな安全装備が統合されています。
もうすぐ発売される新型「レヴォーグ」では、新世代のアイサイトになる予定で、高速道路でのハンズオフ機能や、見通しの悪い交差点での出合い頭や右左折時まで、衝突被害軽減ブレーキの作動範囲を拡大しているといいます。
現在の先進安全技術の中核となるのは、カメラとミリ波レーダー、レーザーレーダーといった各種センサーで、アイサイトは2台のカメラを使った「ステレオカメラ」が特徴です。
このアイサイトは1980年代から研究、開発がスタートし、1999年発売の「レガシィ ランカスター」に搭載された「ADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)」が前身です。
ADAの機能としては車間距離警報、車線逸脱警報、車間距離制御クルーズコントロール、カーブ警報・制御となっており、この頃はブレーキ制御がおこなわれておらず、アクセルとシフトダウンによる減速にとどまっています。
価格はスタンダードなレガシィ ランカスターに対して55万円高くなっており、高額過ぎたため普及には至りませんでした。
しかしその後、ハード、ソフトの進化によって、高機能になりながらも大幅なコストダウンに成功。アイサイトVer.2ではオプション価格が10万円まで下がりました。
現在は軽自動車にも標準装備されているほどなので、だいぶ安価になったのでしょう。
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今回、紹介したものは、すべて大幅なコストダウンが図られたことで、爆発的に普及しました。
なかでも驚きなのがカーナビで、かつては地図ソフトだけでも数万円しましたが、いまではスマホアプリなら通信費以外は無料で利用できます。
もちろん、専用機に対して機能が簡素化されていたり、単純なコストダウンだけではないビジネスモデルによって無料化されているのですが、それでも無料でカーナビが使えるようになることは、かつては考えられませんでした。
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