FCAとPSAの合併で「ステランティス」誕生へ いま世界の自動車グループはどうなっている?

2020年のコロナ禍は世界の自動車勢力図を大きく変えるはず

 1000万台には届かないものの、700万台を誇るのがゼネラルモーターズと現代自動車(ヒュンダイ)の2つのグループだ。

2019年世界販売ランキング1位はVWグループ。写真はドイツ・ウォルクスブルクにあるVW本社
2019年世界販売ランキング1位はVWグループ。写真はドイツ・ウォルクスブルクにあるVW本社

 ゼネラルモーターズの2019年の販売台数は772万台。傘下のブランドは「キャデラック」に「シボレー」「GMC」「ビュイック」などアメリカ発のブランドのほか、オーストラリアの「ホールデン」などを擁する。ビジネス面ではアメリカと中国市場が主戦場となっている。

 韓国の現代自動車グループは、2019年に719万台を販売。「ヒュンダイ」のほか、傘下に「キア」もあり、韓国国内市場だけでなくアメリカ、欧州、中国、インドなど世界市場で活躍する。品質も向上しており、海外市場では日本車の強力なライバルとなっている。

 その下の500万台クラスにあるのが「フォード」と「ホンダ」だ。フォードの2019年の販売は539万台、ホンダは517万台であった。どちらも国内市場だけでなく、中国などの世界市場で戦うブランドである。

 ちなみに、STELLANTIS(ステランティス)となったグループPSAとFCAも、単体では、どちらも年間400万台から500万台クラスであり、順位的にはフォードやホンダの下という存在であった。

 そして、もう少し規模の小さいグループがドイツのダイムラーとスズキだ。ダイムラーの2019年の販売台数は約334万台。スズキは約306万台であった。ダイムラーの擁するブランドは「メルセデス・ベンツ」「スマート」「ダイムラー・トラック」など。「三菱ふそうトラック・バス」も現在は、ダイムラーの一員となっている。

 かたや高級車、かたや大衆車というダイムラーとスズキではあるが、意外にも販売規模は同じくらい、また市場も同じくグローバルという共通点を持っているのだ。

 またBMWグループの2019年の販売台数は約252万台。「BMW」のほか「MINI」「ロールス・ロイス」のブランドがある。

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 世界を見渡せば、年間に1000万台を販売する自動車グループ(1000万台クラブ、とも呼ばれる)の3強がフォルクスワーゲンとトヨタ、そしてルノー・日産・三菱だ。

 その次のポジションには、新生したSTELLANTIS(ステランティス)が飛び込み、以下、ゼネラルモーターズとヒュンダイ、フォード、ホンダと続く。かつてのビッグ・スリーが中段に揃うという状況だ。そして、300万台クラスにダイムラーとスズキが並んでいる。

 ただし、2020年のコロナ禍は世界の自動車マーケットに大きな衝撃を与えた。2020年7月から8月にかけて発表された、各社の2020年通期の見通しをチェックすると、どこも前年比20%ほどのマイナスと考えているようだ。

 しかし、同じだけ台数が減っても、黒字となるメーカーと赤字となるところがある。そうした体質の差は、この先の新車開発や販売活動の差になってくるはず。その結果、グループごとの販売台数、そして順位への影響も大きいことが予想される。

 2020年のコロナ禍は、世界の自動車勢力図も大きく変えるものとなるはずだ。

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