トヨタ「レビン」が中国で復活!? 人気漫画の影響? 現地の人々の評価はいかに
かつてトヨタ「カローラ」のスポーティグレードとして知られたレビンが現在では中国市場専用車として復活しています。往年の名車は、中国でどのように変化し受容されているのでしょうか。
中国で復活したレビン
トヨタ「レビン」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、「カローラ」のスポーティグレードとして販売されていたクーペです。
姉妹車である「トレノ」と並んで、日本のスポーツカーシーンをけん引する存在だったレビンは、1972年に初代モデルとなるTE27型が登場しました。
その後、2000年に最終モデルとなるAE111型が販売終了するまでの28年間にわたって日本で販売され続けたロングセラーモデルでした。
日本ではラインナップから消えて久しいレビンですが、2014年の北京モーターショーでその名が復活しています。
2018年の広州モーターショーでは2代目レビンが発表されますが、このレビンの正体は「カローラセダン」です。
厳密にいえば、フロントマスクなどのデザインがカローラセダンとは差別化され、レビンの方がよりスポーティさを強調されていますが、ボディサイズやパワートレインは現地で販売されているカローラセダンと大差ありません。
中国では、外資系自動車メーカーが中国国内で新車を販売する際には、現地企業と合弁会社を設立することが一般的です。
そうしないと関税がかかるため、価格面での競争力がなくなってしまうからです。トヨタの場合、第一汽車と広州汽車の2社と合弁会社を設立し、それぞれ「一汽トヨタ」「広汽トヨタ」と呼ばれます。
そして、一汽トヨタで生産するカローラセダンはそのまま「カローラ」として、広汽トヨタで生産するカローラは「レビン」として販売されているのです。
カローラのチーフエンジニア・小西良樹氏は、レビンという車名について次のように説明しています。
「中国では、日本でも社会現象化した漫画『頭文字D』の影響から、レビンやトレノという車名の知名度は高いといいます。
また、レビンは稲妻などの意味を持ちますが、中国の方々は稲妻といった言葉を好む傾向にあるで、そのような背景からレビンという車名を採用しました」
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物理的に距離の近い日本と中国では、文化的な交流は今も昔も盛んにおこなわれてきました。近年ではアニメやマンガなどのコンテンツが注目されており、とくに沿岸部の都市では、歴史的にも海外の文化を受容してきた背景があります。
中国のなかでも、北部は比較的保守的な人が多く、南部は流行に敏感な人が多いといわれています。そのため、北部に拠点のある一汽トヨタでは、高級感を高めた「カローラ」を、南部に強い広汽トヨタではスポーティさを高めた「レビン」を販売するという形ですみわけをしているようです。
広州は中国のなかでも親日感情が強い都市といわれ、ホンダや日産も拠点を構えています。また、広州の南部には世界有数の先端技術都市である深センがあるように、常に新しいものを求める気質があることは、上述のとおりです。
こうした背景から、中国南部に強い広州汽車との合弁会社である広汽トヨタで、カローラセダンをスポーティにしたモデルを「レビン」の名前で販売しているようです。
なお、実際には、中国のほとんどの主要都市でどちらの販売店もあるため、ユーザーは自分の好みに合わせて選ぶことが可能です。
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