三菱「パジェロ」が歴史に幕を閉じる! RVブームを彩ったクロカン四駆5選

ハンドリングにもこだわったクロカン四駆とは!?

●いすゞ「ビッグホーン」

いすゞのフラッグシップRVに君臨していた2代目「ビッグホーン」(画像は欧州仕様)
いすゞのフラッグシップRVに君臨していた2代目「ビッグホーン」(画像は欧州仕様)

 いすゞは2002年に、国内市場向け乗用車の生産から撤退してしまいましたが、かつてはスポーティなモデルやクロスカントリー4WD車を、数多くラインナップしていました。

 そのなかの1台が1981年に発売された「ロデオビッグホーン」です。

 ロデオビッグホーンは、ピックアップトラックのラダーフレームにステーションワゴンタイプのボディを架装することで製作され、当初は商用バンのみでしたが、後に乗用ワゴンを追加。

 そして、1991年に車名を「ビッグホーン」に改めた2代目が登場し、ショートボディとロングボディが設定され、全車乗用車登録となりました。

 当初、エンジンは3.1リッター直列4気筒ディーゼルや3リッターV型6気筒ガソリンを搭載し、トランスミッションは4速ATと5速MTを設定。

 また、他のクロスカントリー車には無かったビッグホーンならではの特徴として、イギリスのスポーツカーメーカーのロータスが監修した「ビッグホーン ハンドリグバイロタース」と、ドイツのチューニングメーカーのイルムシャーが監修した「ビッグホーン イルムシャー」という、スポーティグレードがラインナップされていたことが挙げられます。

 高い悪路走破性を発揮しつつも、オンロードの走行性能も高められ、この「ダブルネーム」シリーズは人気を獲得。

 その後、ビッグホーンはホンダやスバルにもOEM供給されるなど販売を拡大しましたが、RVブームの終焉とともに販売は低迷。2002年に生産を終了し、同年末にはいすゞは乗用車の販売から完全撤退しました。

●マツダ「プロシードマービー」

伸びやかなフォルムで広い室内が特徴的だった「プロシードマービー」
伸びやかなフォルムで広い室内が特徴的だった「プロシードマービー」

 現在、マツダのSUVラインナップは「CX」シリーズが展開されており、高い人気を誇っていますが、かつてRVブームの頃は、クロスカントリー4WD車を販売していました。その代表的な車種が1991年に発売された「プロシードマービー」です。

 プロシードマービーはクロスカントリー4WD車では定石だった、ピックアップトラック「プロシード」のシャシに、ステーションワゴンタイプのボディを載せる手法で開発され、特徴的だったのが3000mmというロングホイールベースによる広い室内と、価格が220万円台からと比較的安価に設定されていたことです。

 搭載されたエンジンは2.6リッター直列4気筒ガソリンと2.5リッター直列4気筒ディーゼルの2種類で、トランスミッションは4速ATと5速MTを設定。駆動方式は、全車パートタイム4WDです。

 足まわりはフロントがダブルウイッシュボーン、リアがリジッドアクスルで、耐久性や強度が高く、クロスカントリー4WD車に最適な形式となっています。

 プロシードマービーは一定の人気はあったものの、同クラスのトヨタ「ハイラックスサーフ」や日産「テラノ」ほどのヒット作にはならず、1999年に販売は終了となり、後継車はありませんでした。

※ ※ ※

 パジェロの歴史が終わるということはファンにとっては寂しいことですが、三菱の新中期経営計画によると2023年中には、新型SUVが出ることも発表されています。

 あくまでもASEAN向け商品の強化であり、日本での展開は未定ですが、しっかりとクロスカントリー4WD車も含まれているようです。

 約40年続いたパジェロの系譜は途絶えることになりますが、ジープから続くDNAはこの先も受け継がれていきます。

【画像】今のSUVどころじゃないほど人気があった!? RVブームに輝いたクロカン四駆を見る(20枚)

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