マセラティ「ギブリ」が、官能的なサウンドはそのままにハイブリッドになった!
マセラティのEV化第一弾である「ギブリ・ハイブリッド」が発表された。カスタマーがマセラティに求める官能的なサウンドやスタイリングは、受け継がれているのだろうか。
マセラティ初のハイブリッドモデルは「ギブリ」から
2020年7月16日、秋に正式発表される「MC20」に注目が集まっているマセラティから、ブランド史上初となるハイブリッドモデル「ギブリ・ハイブリッド」が誕生した。
マセラティ「ギブリ」は、2013年の発売以来、10万台以上が生産され続けているマセラティのDNAを体現しているモデルである。マセラティがブランドのフィロソフィーやバリューを変えることなくハイブリッドモデルに参入するには、このギブリをハイブリッド化することが最短かつ効果的な方法であったのだろう。
●デザイン
エクステリアとインテリアの両方のデザインに、ハイブリッドであることがすぐに分かるように手直しが施されている。マセラティのデザインセンターであるチェントロスティーレは、ハイブリッド技術搭載を象徴するために、BMWの「iシリーズ」と同じくブルーの色を選択した。
エクステリアに用いられるブルーは、マセラティらしく上品に差し色として使われている。フロント左右のフェンダーに穿たれた3つのエアインテーク、ブレーキキャリパー、そしてCピラーに取り付けられたトライデントのバッジにブルーが用いられている。
インテリアでは、シートやダッシュボード、ドアパネルなどが鮮やかなブルーでステッチされている。
また外観ではフロントとリアでデザインに若干手が加えられた。フロントグリルは一新され、グリルバーは音叉をモチーフにデザインし直されており、その中央に収まるトライデントを呼び起こすかのようである。
また、テールライトは「3200GT」やコンセプトカーの「アルフィエリ」のようなブーメラン型に再設計されている。
●マイルドハイブリッド
革新的なパワートレインは、モデナにあるマセラティ・イノベーションラボが開発を担当した。1998ccの直列4気筒ターボエンジンと48Vのオルタネーター、e-Boosterと呼ばれるエレクトリック・スーパーチャージャーを組み合わせ、バッテリーから電力は供給される新世代のパワートレインとなる。
バッテリーは、減速時の回生エネルギーによって電気が蓄えられ、車両の後部に搭載されている。これにより重量配分が改善されているという。
最高出力330ps/5700rpm、最大トルク450Nm/4000rpmを発揮し、0−100km/h加速は5.7秒、最高速度は255km/hである。気になる燃費は、WLTPモードで10.4km/Lから11.8km/Lだ。
また、マセラティといえばエキゾーストサウンドに魅了されているオーナーも多いだろうが、ギブリ・ハイブリッドでは特別に設計され最適化されたエキゾーストにより、マセラティらしい官能的なサウンドを奏でてくれるようだ。
●コネクティビティ
ギブリ・ハイブリッドでは新しいマセラティのコネクトプログラムが採用された。ソフトウェアのアップデートだけでなく、車両のチェックや緊急時のセーフティ・セキュリティサービスのチェックもおこなってくれる。
マセラティのインテリジェント・アシスタント・マルチメディアシステムは、最新世代のソフトウェアを採用、ドライバーの好みに合わせてカスマイズが可能となっている。
マルチメディアのHDスクリーンは新しいグラフィックが採用され、8.4インチから10.1インチへと大きくなり、非常に使いやすくなった。
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ギブリ・ハイブリッドは、今後のマセラティモデルのEV化につながる最初のステップである。マセラティの完全なEVとなるモデルは、2021年に発表が予定されている次期「グラントゥーリズモ」と「グランカブリオ」であることがすでにアナウンスされている。VAGUEでは引き続きこちらにも注目していきたい。
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