VW新型コンパクトSUV「Tロック」 さっそく日本の道で走ってみた

2リッターディーゼルターボはトルクフルで頼もしい

 試乗したのは、内外装に数々の専用装備が与えられた、Tロックの魅力をもっとも感じさせるであろうR-Lineとなる。

 ドライブしてまず感じるのは、VWのSUVらしいまとまりの良さだ。

VW「T-Roc」の走り
VW「T-Roc」の走り

 すでに定評のある「MQB」プラットフォームも効いてか、ドライブフィールは極めて快適で軽快かつ扱いやすく、なんら気になるところはない。

 全幅は1800mmをやや超えるものの、前輪の切れ角が十分に確保されているので取り回しは良好だった。このサイズで、最小回転半径が5.0mちょうどというのも恐れ入る思いだ。

 最新のTDIエンジンは低速から力強く、それを歯切れのよいシフトチェンジを提供する7速DSG(DCT)が効率よく路面に伝えてくれる。トルクフルな走りはロングドライブでは、なおのこと頼もしく感じられることだろう。ディーゼルとしては音や振動も比較的小さく抑えられているのも好印象だった。

 R-Lineのみに標準装備される電子制御ダンパーを備えたアダプティブ シャシー コントロール(DCD)による足まわりの仕上がりも上々だ。

 スポーティな走り味から快適性重視まで任意にモード選択することができるが、ひとまずAUTOにセットしておけばどこでも事足りる。

 SUVとしては重心高がそれほど高くないこともあり、ロールなどの姿勢変化を抑えるために無理をしなくて済んだような印象で、適度にダンピングが効いていながらも微小ストローク域がしなやかに動くので、19インチで40偏平のタイヤを履いているとは思えないほど乗り心地は快適だった。

 また、VW車がおしなべて持つ美点である、操舵に対して正確に応答し、しっかりとした手応えのあるステアリングフィールももちろん身につけている。リアの追従性も高く、走りに一体感があり操縦安定性にも優れている。

 先進安全装備についても基本的な機能はもちろん、ステアリングを制御するレーンキープアシストや、二次被害を防止するVWならではの技術であるポストコリジョンブレーキシステムを採用するなど、上級機種に匹敵するほど充実しているのも特徴だ。

 スタイリッシュで実用性も高く、そつのない仕上がりで価格やキャラ的にもとっつきやすいTロックは、ますまず増殖するコンパクトクロスオーバーSUVの中でもベンチマークといえる1台になることだろう。

VW「T-Roc」の走り
VW「T-Roc」の走り

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Volkswagen T-Roc R-Line

・車両本体価格(消費税込):453万9000円
・全長:4250mm
・全幅:1825mm
・全高:1590mm
・ホイールベース:2590mm
・車両重量:1430kg
・エンジン形式:直列4気筒ディーゼルターボ
・排気量:1968cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速DSG(DCT)
・最高出力:150ps/3500-4000rpm
・最大トルク:340Nm/1750-3000rpm
・燃費(WLTC):18.6km/L
・サスペンション前/後:ストラット/トレーリングアーム
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤ:225/40R19

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