未来は近い!? 2020年道交法改正で注目の自動運転 「ゴール」までの距離はあとどれくらい?
近ごろCMやニュースで耳にすることが増えた「自動運転」は、自動化されている機能によって6段階のレベルで区別されています。レベル0からレベル5まで、それぞれどんな機能が与えられているのでしょうか。また、2020年4月1日に施行された改正道路交通法は、自動運転とどのような関わりがあるのでしょうか。
6つのレベルに区分される自動運転の機能
近ごろ、クルマのCMやニュースなどで「自動運転」という言葉をよく耳にします。自動運転というと、SF映画に登場するような完全自動で人間がまったく操作しないで済む乗り物をイメージしがちですが、それはもう少し未来の話です。
現段階の市販車では、技術的にも法的にも緊急時に人間が対応する必要があります。完全自動化されたクルマが発売されるのは5年後とも10年後ともいわれており、技術開発のゴールはまだまだ遠いといえそうです。
自動運転はそんな完全自動を頂点に、搭載されている機能によって6段階に区分されています。
これは米国自動車技術者協会(SAEインターナショナル)が策定した自動運転の定義による区分で、日本政府や米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)も採用するグローバルスタンダードです。
その区分にはレベル0からレベル5まであるのですが、それぞれの違いはいったい何なのでしょうか。
●レベル0:すべての操作をドライバーがおこなう
アクセルやブレーキ、ステアリングを含めたすべての操作をドライバーがおこないます。前方衝突警告や後方死角検知、ABSなど運転支援をする機能が備わっていても、システム(クルマ)は運転操作自体に関与しないのでレベル0となります。
●レベル1:ステアリング操作、加減速のどちらかをシステムがサポート
車線維持支援システム(LKAS)のようなステアリング補正か、先行車との車間距離を一定に保つアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)のようなスピード調整のどちらか一方をシステムがサポート。
いわゆる安全運転支援機能が搭載されたクルマを指します。
●レベル2:ステアリング操作、加減速の両方をシステムがサポート
ステアリング補正機能(車線維持支援機能など)とスピード調整機能(ACCなど)が連携しながら運転をサポートします。
レベル1は「自動運転」ではなく「運転支援」にカテゴライズされますが、レベル2は「部分自動運転」や「準自動運転」などと呼ばれます。
●レベル3:特定の場所でシステムがすべてを操作、緊急時はドライバーが操作
「条件付自動運転」と呼ばれ、限定的な場所や交通状況において、システムが運転に関わるすべての操作をおこないます。
ただし、緊急時やシステムが作動困難になった場合は人間が対応しなければならいので、ドライバーはいつでも運転できる態勢でいる必要があります。
レベル3のシステムは既にアウディが「A8」用に開発済みで、ホンダもレベル3の自動運転に対応したクルマを2020年年内に発売する見込みです。
●レベル4:特定の場所でシステムがすべてを完全に操作
レベル3同様に限定的な場所や交通状況において、システムが運転に関わるすべての操作をおこない、そのうえで緊急時の対応もおこないます。「高度自動運転」と呼ばれ、システムを利用している状況下ではドライバーによる運転操作は一切不要です。
●レベル5:常にすべての操作をシステムがおこなう
「完全自動運転」といわれるように、ほとんどの状況下でシステムがすべての操作をおこないます。ドライバーの存在が必要なくなり、シートレイアウトなどクルマの在り方が変わっていくでしょう。
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