出光と昭和シェルが統合で何が変わる!? 石油業界の再編でガソスタが先祖返りする?

クルマを使う人にとって身近なガソリンスタンドですが、石油元売り大手の出光興産と昭和シェル石油の統合により、新たなガソリンスタンドブランドが展開されると発表がありました。両社の統合によって、ガソリンスタンドはどのような変貌を遂げるのでしょうか。

ガソリンスタンドはより幅広いサービスを展開する拠点に

 かつて日本の石油業界には、さまざまな企業が存在しました。しかし、業界では時代とともに統合が進み、2019年4月には業界2位の出光興産と業界4位の昭和シェル石油が経営統合し、石油業界では国内2番目の規模となる企業が誕生しました。こうした石油業界の統合にはどのような背景があるのでしょうか。

昭和シェル石油と日本ピザハットがコラボした日本初ガソリンスタンド内のピザ屋を2018年12月にオープンしている
昭和シェル石油と日本ピザハットがコラボした日本初ガソリンスタンド内のピザ屋を2018年12月にオープンしている

 石油業界統合の大きな要因はクルマの燃費技術が向上したことによる燃料需要の低下です。近年、自動車メーカーはクルマを開発するにあたり厳しい燃費基準をクリアする必要があります。

 また、燃費に優れるハイブリッドカーや電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)の普及により、かつてのように大量にガソリンを消費するクルマは少なくなりました。

 そのため、石油業界においては他社との競合を続けるよりも統合によって生き残る選択したのです。そうした事情を反映してか、一般消費者と接するガソリンスタンドもガソリンなどの燃料を販売するだけの店舗から大きく変貌を遂げようとしています。

 出光興産と昭和シェル石油の経営統合によって、両社が展開していたガソリンスタンドを2021年3月から「アポロステーション」という新ステーションに刷新していくことが発表されています。

 アポロステーションはガソリンや軽油などの従来の燃料販売サービスに加えて、「EVステーション」「水素ステーション」といった新しい燃料インフラを備える予定です。

 さらに、地域の生活のハブステーションとなるべく「EC商品受け渡しサービス」や、「ライフケアデイサービス送迎」「ライフケアフィットネスサービス」、「家庭用ロボットメンテナンス」、そして「MaaS超小型EVステーション」という複数のサービス展開を目指すとしています。

 EVやFCVなどのクルマにおいては、急速充電ステーションや水素ステーションなどの新たなインフラが必要となるため、ガソリンスタンドの刷新はこうした次世代のクルマに対応するため必要な改修です。

 また、コロナ禍によって激増したEC商品配達においても、アポロステーションは中核施設となる可能性があります。都市圏・都市郊外を問わず高齢者の増加傾向は明らかであり、セーフティネットの役割を果たすライフケアサービスは地域の支えとなります。

 業界最大級の規模を持つENEOSホールディングスでは、こうした動きに先んじて家庭用電気販売など、石油エネルギーに依存しない事業展開を始めました。

 同じく業界で出光興産に次ぐ規模のコスモは、毎月定額料金を支払うことで車検などの費用がかからない独自の新車販売サービス「コスモMyカーリース」を展開しています。

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2件のコメント

  1. 結局は昭和シェルは消滅で出光側のアポロブランドに統合される形か…
    ENEOSもJOMOに続いてゼネラル、Mobil、Essoを統合してしまいましたからね。
    これからはコンビニ業界と同じく石油業界も3強の時代に。
    3強以外の残った石油販売会社はこれからどうなるのでしょうね?

  2. 結局は昭和シェルは消滅で出光側のアポロブランドに統合される形か…
    これからはコンビニ業界と同じく石油業界も本格的に大手3社の時代に。
    3社以外の他の石油販売会社は今後どうなるのでしょうね…

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