新型ハリアーは現代版マークIIだった? 目標10倍以上も爆売! 手が届く高級SUVの魅力
トヨタ新型「ハリアー」が月販目標台数の10倍以上となる好調な販売を見せています。元祖ラグジュアリーSUVともいえるハリアーですが、なぜこれほどまでに人気なのでしょうか。
爆売な新型「ハリアー」は現代版マークIIだった?
現在、自動車業界でもっとも話題のモデルといえばトヨタの新型SUV「ハリアー」でしょう。それは受注台数にもシッカリ表れており、2020年6月末の時点での受注台数は約4万台(先行受注の約2万台を含む)と、月販目標台数3100台の10倍以上を記録しています。
スターティングプライスは従来モデルより安い299万円とはいえ、決して安いモデルではありませんが、多くの人が「欲しい!!」と思わせる魅力を備えているというわけです。
筆者(山本シンヤ)は、「人気のクロスオーバーSUV」、「ちょっと背伸びをすれば手が届く」、「豪華だけど高級じゃない」という絶妙な「商品企画」、そして同社「RAV4」譲りのTNGAのパワートレイン/プラットフォームを用いて基本性能を大幅に引き上げながら、ハリアー独自の「個性」と「乗り味」を持たせたことが爆発的な人気となったと分析しています。
今回は、ナンバー付の量産モデルをリアルワールドで試してきました。筆者はクローズドコースでの試乗でその魅力と実力は十分確認できていますが、ここでは一般ユーザーと同じ条件で走らせてみて気が付いたこと、気になったことを中心に紹介していきます。
エクステリアは写真で見るよりも、よりスタイリッシュ、よりエモーショナルなデザインですが、リアバンパーに埋め込まれたウインカー(視認性がやや劣る)や、1855mmの全幅(タワーパーキングは1850mmまでが多い)など実用上において気になる所もありました。
この辺りを開発者は次のように説明しています。
「ウインカーは細いテールランプ部に配置すると法規をクリアできる光量が確保できないため、今回はデザインを優先させました。
全幅は当初はより幅広でしたが、取り回し性を上げるべくデザインとのバランスを考えながら調整。しかし、19インチを収めるためのギリギリの値が1855mmでした」
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ちなみにこれまでのトヨタだと「あれもこれも!!」と欲張った結果、中途半端なデザインになっていたと思います。そういう意味でいうと、今回の「割り切り」は逆に評価できる部分ともいえるでしょう。
インテリアはインパネ周りの操作系レイアウトこそRAV4と共通ですが、デザインはハリアー専用でスタイリッシュ&エモーショナルに仕上がっています。
ただ、ちょっと残念なのはRAV4と同じデザインのステアリングとメーターという点です。ここが違うとイメージはガラッと変わるだけに勿体ない部分でした。
センターの12.3インチの「大画面ディスプレイ」と先代でも好評だった「タッチ式空調パネル」が特長となっていますが、実はこの組み合わせは最上級の「Z」のみ標準装備で、下位グレードではオプション設定となるので注意が必要です。
先進装備の充実もポイントでトヨタ車初採用となる調光ガラスを用いた電動シェード付パノラマルーフは音声認識でも開閉可能(実は『星が見たい』、『空が見たい』といったセリフでも開く)。障子越しのような光が差し込むのは、日本ならではのおもてなしです。
居住性は当初は「デザイン優先で居住性/ラゲッジは割り切って構わない!!」といった号令が出たそうですが、狭いと感じさせない工夫を行なった結果、実際の寸法はRAV4と比べると若干劣りますが、実用上で困ることはない広さを実現。
むしろ「このデザインなのに広い!!」と感じるレベルといえるでしょう。この辺りはエクステリアと同じく「割り切り」がいい方向に働いたと感じています。
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