一見オヤジセダンだけどエンジンがスゴいんです! 高性能1.6リッターセダン3選
近年、セダン人気の低迷から各メーカーのセダンラインナップが減少してしまっています。とくにコンパクトで高性能なモデルは、絶滅が危惧されるほどです。そこで、セダンの人気がいまよりも高かった頃の高性能なコンパクトセダンを3車種ピックアップして紹介します。
セダンが隆盛を誇っていた頃に登場した高性能モデルを振り返る
近年、国内市場ではSUVやミニバン人気の高まりと対照的に、セダンの人気が低迷してしまい、各メーカーのラインナップから減少傾向にあります。なかでも高性能なコンパクトセダンは、ほぼ絶滅してしまいました。
そこで、セダンの人気がいまよりも高かった頃に登場した、高性能な1.6リッターエンジンを搭載したコンパクトセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「カローラ GT」
トヨタが誇るベーシックカー「カローラ」には、かつてスポーティな派生車の「カローラレビン」がラインナップされていました。
レビンは伝統的に高性能エンジンを搭載するモデルが設定されましたが、そのエンジンはレビン専用だったわけでなく、セダンやステーションワゴンに搭載された実績があります。
なかでも1995年に登場した8代目カローラには、4ドアセダンに「GT」グレードが設定され、レビンのトップグレードと同じエンジンを搭載。
カローラ GTのエンジンは最高出力165馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒の名機「4A-G型」で、1気筒あたり5バルブの20バルブヘッドや、4連スロットルを装備したスポーツユニットです。
高性能なエンジンに見合うように、4輪ディスクブレーキを装備し、足まわりも専用のセッティングとされていました。
一方、外観は派手なエアロパーツなど装備せず、エンブレム以外はスタンダードなグレードとほとんど変わらず、まさに羊の皮を被った狼といったところです。
●三菱「ミラージュ VR」
現行モデルの三菱6代目「ミラージュ」は、新興国向けに開発された同社のエントリーモデルとなるコンパクトカーで、高性能なモデルは存在していません。
しかし、かつてミラージュはハイパワーなエンジンを搭載して、人気を博していた頃があります。なかでも1995年に登場した5代目は、同クラスではユニークな存在でした。
ボディタイプは3ドアハッチバック、2ドアクーペ、4ドアセダンがあり、4ドアセダンには高性能な自然吸気エンジンを搭載する「VR」を設定。
シャシやボディパネルの多くは同世代の「ランサー」と共有され、第2世代の「ランサーエボリューションIV」にも通じるデザインを採用していました。
エンジンは三菱独自の可変バルブタイミングリフト機構「MIVEC」を採用した1.6リッター直列4気筒DOHCで、最高出力は175馬力を7500rpmで発揮する、高回転型ユニットを搭載。
足まわりはフロントがストラット、リアがマルチリンクの4輪独立懸架とされ、4輪ディスクブレーキがおごられるなど、高性能なエンジンにふさわしい内容でした。
ほかにも1.8リッターV型6気筒エンジンを搭載するモデルもあり、豊富なラインナップを展開。しかし、人気の低迷から2000年に生産を終了し、ミラージュの系譜も一旦途絶えてしまいました。