まるで高級スポーツセダン!? トヨタ新型「ハリアー」はSUVを超えた存在に?
ハイブリッドグレードはスポーティモデルといえる存在!?
新型ハリアーのなかでは、おそらくガソリンエンジンの販売比率がもっとも高くなると思いますが、よりスポーティなテイストを欲するのであればハイブリッドという選択肢も考慮すべきだと思います。
ハイブリッドは本来、燃費向上のためのシステムですが、モーターアシストによる優れた加速性ゆえに、昨今では「第3の過給器」として考えられるようになっています。
新型ハリアーのハイブリッドもWLTCモード22.3km/L(4WDは21.6km/L)という低燃費を実現しながらも、ガソリンエンジンよりもスポーティなドライビングを楽しむことが可能です。
トヨタがターボエンジンを設定しなかったのも、ハイブリッドが十分にスポーティなグレードであることが理由かもしれません。
ハイブリッドに設定されるモーターを使用した電気式4WDシステムのE-Fourであれば、さらに鋭い加速を体感することができます。
前後輪軸のそれぞれをモーターでアシストさせるE-Fourは駆動トルクの損失が少なく(発進加速時は前8:後2)、その加速はガソリンエンジン車や2WDのハイブリッドを遙かに上回るものです。
3タイプのグレードで0-200m加速を比べてみましたが、ダントツの速さを見せつけました。
運動性能も、ほかのグレードとは異質です。225/55R19サイズのタイヤに多少硬めに味付けされたサスペンション、さらには駆動トルクを走行状態によって可変させるE-Fourのおかげで、自分のドラテクが上達したような感覚を楽しむことができます。
ハイブリッド(E-Four)は500万円オーバーの価格に見合う走りをきっちりと実現しており、予算に余裕があるならE-Fourが買いなのではないでしょうか。
かつてレクサスの「NX」や「RX」に試乗したとき、次元の高いドライブフィールに感嘆させられましたが、新型ハリアーはこの価格帯でそれらを凌駕してしまったといっても過言ではありません。
一方で、一部グレードで価格帯がバッティングするRAV4とは、きっちりと走りの質の差違を付けています。
さらに、ライバルとなるマツダ「CX-5」が年次改良によってどんどん走りのクオリティを向上させていますが、新型ハリアーは操安性や静粛性の面ではそれも越えています。
国産SUVは30年近くの歴史のなかで、車高の低いクルマに走行性能を近づけようとしてきましたが、近づくどころかそれを越えきました。
初代ハリアーもエポックメイキングなモデルでしたが、新型ハリアーは再びSUVのベンチマークになったといえます。
ハリアーのフルモデルチェンジよって、当然ながらレクサス・RXも変わるはずですが、そのような味付けになるのかが今から楽しみです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
セダンに敵うわけないだろw
全然敵ってるよなぁ。。