ジャガー最上級モデルもピュアEVへ ジャガーランドローバーが目指す「バブル」の意味とは
人々の移動量は減る? キーポイントは「移動の質」
セイファーについては、クルマの周辺360度を常時監視する、高度な運転支援システムのさらなる進化。周囲の道路環境の変化に対する認知機能の強化。その延長上として高度な自動運転の社会実装を目指すといいます。
スマーターについては、さまざまな側面からの提案をしました。
ひとつは、顧客サービス面でのサブスクリプションモデルです。2020年7月2日にリリースした「Pivotal」では、「I-PACE」、「レンジローバー イヴォーク プラグインハイブリッド」、そして「ランドローバー ディスカバリースポーツ」がサブスクリプションの対象となりました。
2025年までに欧米市場の約10%がメーカーによるサブスクになると予測しています。
別の側面では、車両の情報や顧客情報のビックデータの解析や、クラウド経由でソフトウエア書き換える「SOTA(ソフトウエア・オーバー・ザ・エア)」が拡充します。
さらに別の側面では、オンラインでの新車販売があります。「衣料費や食品などと同様に、新車でもトレンドになることは間違いない」とし、同社として今後、積極的に事業展開する可能性を示唆しました。
今回のオンライン説明会で感じたのは、ジャガーランドローバーのようなプレミアムブランドが、「移動の質」に対する新しいビジネスチャンスを模索しているという姿です。
将来的には、ネット社会のデータ解析や、地球環境への意識から、移動はより効率的におこなわれるようになり、結果的に人々の総移動量は減少傾向に転じる可能性があります。
そのなかで問われるのは、「移動の質」です。
旧来、または現在の移動の質は、クルマの車格や走行性能に由来しています。
それが近未来には、移動に対する新たな価値を提供することが、自動車ビジネスでの競争領域になるように思えます。
ジャガーランドローバーの移動ビジネスに対する、次の一手に大いに期待したいところです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
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