珍車発見!! かつてあった日産製、ルノー製のアルファ ロメオとは?

2020年に創業110周年を迎えたアルファ ロメオだが、10年前の100周年の際には、ミラノとその周辺で大規模なイベントが開催された。そのイベントでモータージャーナリスト武田公実氏が見かけた、激レアなアルファ ロメオの珍車を3台紹介しよう。

ルノー製アルファ ロメオとはいかに?

 2020年6月24日に創業110周年を迎えたアルファ ロメオでは、新型コロナ禍の影響によって、オンライン上の祝賀イベントを開催。リアルな環境で、世界中のアルフィスタ(アルファ ロメオ愛好家)たちと、110周年の誕生日を共有することはできなかった。

 翻って10年前の100周年には、全世界から3000台以上のアルファ ロメオ作品たちとそのオーナー、あるいはファンたちをアルファ ロメオ生誕の地、ミラノとその周辺に集めて巨大なイベントが開催された。

 なかでも祝賀イベントの一環として、2010年6月19から27日まで開催された素晴らしい展覧会「Alfaromeo 100×100」に、筆者は目をみはることになった。

 この会場に置かれた、アルファ ロメオ100年の歴史を彩ってきた100台のクルマは、いずれも博物館級のものばかり。その大多数は、誰もが認める名車たちが占めていたのだが、一方でそれまで本の上での知識に留まっていた「知られざるアルファ ロメオ」の姿があったのも特筆すべきことだった。

 今回は、アルファ馬鹿を自認する筆者とて、初めて見る機会を得た超希少モデル3台をセレクト、ご紹介させていただくことにしよう。

●アルファ ロメオ・ドーフィン:1959~1964年

アルファ ロメオ・ドーフィン
アルファ ロメオ・ドーフィン

 デビューから60年以上の歳月が経過した現在となっては、もはやイタリアでもあまり知られていないそうだが、実はアルファ ロメオは仏ルノーとのライセンス契約に基づいて1959年からルノーの小型RRセダン「ドーフィン」を生産していた。

 イタリア国内限定ながら、自社のディーラーネットワークで販売もしていた。

 このライセンス契約は、当時大成功を収めていた1300cc級モデル「ジュリエッタ」よりもさらなる小排気量車を擁して、巨人フィアットのベストセラー「600」の支配する小型車マーケットにも食指を伸ばそうとしたアルファ ロメオと、海外の生産拠点を求めていたルノーの意向が一致してのこととされている。

 アルファ ロメオがルノーをパートナーに選んだのは、当時はお互いに国営企業ということで交渉上好都合だったからという。

 でも、直接のきっかけは1956年ミッレミリアの市販車改造ツーリングカー750−1000ccクラスでトップ4位を独占した高性能ぶりに、アルファ ロメオの首脳陣が感銘を受けたためともいわれているのが、いかにもモータースポーツ至上主義だったアルファ ロメオらしいところだ。

 ただ、「ジュリエッタ・ベルリーナ」とのバッティングを避けたからなのか、高性能版の「ゴルディーニ」のアルファ ロメオ版はラインナップされず、イタリアで生産されたのはスタンダードモデルのみであった。

 1961年に、本国フランスで豪華版「ルノー・オンディーヌ」が追加されると、直後にはアルファ ロメオにもオンディーヌ版が追加されるが、こちらはマーケットの好評を得るには至らず。

 そしてドーフィンも所定の成果を得たことから、この野心的な試みは1964年ごろに終わりを告げた。また、日本でも有名な「ルノー4(キャトル)」もイタリア生産がおこなわれたが、こちらは1962年から1964年という短命に終わっている。

 アルファ ロメオ製ドーフィン/キャトルともに、カルト的な実用車の常で残存台数は極めて少なく、筆者自身も現車にお目にかかることができたのは、この「Alfaromeo 100×100」が初めて。そして、今のところはそれが最後なのだ。

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