「エンツォ フェラーリ」がカーチェイス! B級映画はこうして楽しめ!【映画の名車】

映画に登場するクルマをチェックするのは楽しい。しかし、登場するシーンはほんの少しであったり、クルマのディテールがよく分からない場合も多い。今回紹介する『レッドライン』は、主役がスーパーカー。ゆえに超弩級のスーパーカーのカーチェイスが満載だ。映画自体はB級であるが、スーパーカーを愛でる映画としてオススメの1本だ。

カーチェイス満載ならB級だっていいじゃないか!

 古今東西のスーパーカーや魅力的なクルマたちが印象的な大道具、あるいは素晴らしきバイ・プレイヤー(脇役)として存在感を示している映画作品は多いが、今回は思いっきりの直球勝負。

 キャスト陣ではなくスーパーカーが主役となり、「カーアクションのREDLINE(限界)」を自ら標榜するスーパーカームービー。その名も『レッドライン』である。

2007年に公開された映画『レッドライン』では、劇中車としてケーニグセグとカーチェイスを演じるエンツォ フェラーリ
2007年に公開された映画『レッドライン』では、劇中車としてケーニグセグとカーチェイスを演じるエンツォ フェラーリ

 歌手になることを夢見るナターシャ(ナディア・ビョーリン)は、類まれなドライビングテクニックの持ち主。しかし一流レーサーだった父親がレース中の事故で命を落として以来、レースへの情熱を封印していた。

 ある日、西海岸の公道で違法な賭けレースに興じている人気ラッパー、インフェイマス(エディ・グリフィン)がナターシャに目をつける。インフェイマスは、宗教団体の教祖や映画プロデューサー、中国人実業家などの怪しげなミリオネアたちとともに百万ドル単位の高額賭けレースを展開していたのだ。

 ナターシャはバンドの仲間とともにステージに立たせてもらうことを条件に、次のレースがおこなわれるラスベガスに向かう。彼女は望みどおり華やかなステージで歌うことができたが、インフェイマスの策略でドライバーとしてレースに参加することを余儀なくされてしまう。

 一方、彼女の優れた運転技術、あるいはそのセクシーな美しさに惚れ込んだほかの賭けレース常習者たちも彼女に注目し始める。そしてナターシャは、どす黒い賭けレースの世界へと巻き込まれていく……。

 この作品は一説によると、自身の愛車を自慢したい“セレブ”たちが、作中で使用するスーパーカーのほかに、映画の製作費の一部を提供したともいわれている。

 また、主役を筆頭とする出演者たちも本作以外での活動はほとんど見られないことからも、いわゆるB級作品の極みともいえるだろう。

 たしかに、あくまで筆者の個人的感想ながら、映画の出来そのものはプロットからカメラワークに至るまで、まったくもって大したことはないと思う。

 肝心要のカーアクションも、派手なテールスライドやクラッシュシーンの演出にばかり気を取られ、スピード感に欠けているかに見えてしまう。つまり、純粋な映画ファンにとっては取るに足らない一本かも知れないが、一方で我々スーパーカー愛好家にとっては、なかなか悪くないとも感じられる。

 なんといっても、「エンツォ・フェラーリ」やポルシェ「カレラGT」、メルセデス「SLRマクラーレン」、サリーン「S7」、そしてケーニグセグ「CCX」が、これほど縦横無尽に銀幕を駆け回る映画など、ほかには思いつかないからだ。

 超弩級のスーパーカーをスクリーンで鑑賞するという楽しみ方ができる一本である。

●FERRARI ENZO FERRARI
フェラーリ・エンツォ フェラーリ
デザインはピニンファリーナ在籍時代の奥山清行氏による。エンジンは5998ccのV12をリアミドに搭載。

●『REDLINE/レッドライン』
公開年:2007年
上映時間:95分
監督:アンディ・チェン
出演:ナディア・ビョーリン、ネイサン・フィリップス、エディ・グリフィン

【画像】ケン・オクヤマ氏がデザインしたエンツォ フェラーリ!(8枚)

まさか自分のクルマが… 高級外車のような超高音質にできるとっておきの方法を見る!

画像ギャラリー

1 2

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー