なぜ人気SUVを提供? トヨタ「RAV4」とスズキ「アクロス」は何が違う? 両社の関係性とは
スズキの欧州法人は、同市場でトヨタ「RAV4 PHV」をベースとした新型「アクロス」を2020年7月1日に発表しました。2019年3月に両社は技術やノウハウとともに、両社の車種をOEM供給することに合意していますが、2台の違いや欧州市場の動向はどうなっているのでしょうか。
トヨタがスズキにRAV4を供給!? その意図とは
2020年7月1日、スズキの欧州法人は、プラグインハイブリッド車の新型SUV「アクロス」を世界初公開しました。アクロスのベースとなるのは、トヨタの人気SUV「RAV4 PHV」ですが、なぜRAV4 PHVをOEM供給するのでしょうか。
トヨタとスズキは、2017年2月6日の業務提携に向けた覚書締結以降、具体的な内容の検討を続けてきましたが、2019年3月20日にトヨタの強みである電動化技術とスズキの得意分野である小型車技術を持ち寄り、生産領域での協業や電動車の普及など、具体的な検討に着手することに合意しています。
具体的には、トヨタのハイブリッドシステムをスズキに供給するとともに、欧州で「RAV4」と「カローラワゴン」の電動車をスズキへOEM供給するとしていました。
対して、スズキは自社の強みである小型車・小型パワートレインをトヨタに供給する具体策として、スズキの小型モデル「シアズ」「エルティガ」をOEM供給するとともに、スズキがインドで生産する「バレーノ」「ビターラブレッツァ」「シアズ」「エルティガ」をトヨタのアフリカ市場に供給する予定です。
トヨタとスズキの協業後、最初の取り組みとしては、インド市場にてスズキからバレーノをOEM供給し、トヨタ「グランザ」を2019年6月6日に発売しました。
今回、その逆となるトヨタからスズキへのOEM供給として、新型アクロスを欧州市場で2020年秋に発売します。
新型アクロスの生産は、2020年6月初旬から愛知県のトヨタ系工場で開始したといい、スズキ向けに年間3000台程度を供給するようです。では、新型アクロスとベースとなるRAV4 PHVとは、どのような部分が異なるのでしょうか。
新型アクロスの外観は、RAV4 PHVと異なるフェイスデザインとなり、グリル中央にスズキのエンブレムを配置。
デザイン面では、グリル開口部やバンパー左右のベゼルが大型化され、ヘッドライトも細長い形状となったほか、RAV4のアドベンチャーグレードに採用されているようなシルバー塗装されたガーニッシュパーツや19インチアルミホイールを装着。ボディカラーは、全6色です。
内装は、RAV4シリーズ(ガソリン/ハイブリッド/PHV)と同様のデザインとなっており、インパネ中央には9インチディスプレイオーディオを装着。スマホ連携機能としてApple CarPlayやAndroid Autoが使用できます。新型アクロスでは、ハンドル中央にトヨタマークの代わりに「S」のスズキマークが備わります。
搭載されるパワートレインは、2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンにふたつのモーターを組み合わせた新開発のプラグインハイブリッドシステムを採用。これは、ベースのRAV4 PHVに搭載されるものと同様です。
このシステムは、RAV4のハイブリッド車よりもフロントモーターとインバーターを高出力化し、大容量・高出力の新型リチウムイオンバッテリーと組み合わせることで、システム最高出力306馬力を達成。モーターを最大限活用することで、瞬時に加減速することが可能となりました。
駆動方式は、トヨタがハイブリッド車に採用している電気式4WDシステム「E-Four」を設定。走行シーンにより、適切なトルク配分をおこない荒れた路面や雪童などでも走破性や安定性を確保するものです。
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