1.6リッター「R」戦国時代を戦った車たち!? 高性能スポーツコンパクト3選
究極の1.6リッターエンジンを搭載した日産車とは!?
●日産「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」
1978年に日産「チェリーF-II」の後継車として登場した初代「パルサー」は、ベーシックなFFコンパクトカーとして開発されていました。
そして、日産のモータースポーツ戦略によって、1990年に登場した4代目では世界ラリー選手権へ出場するためのベース車として、高性能モデルの「パルサーGTI-R」が登場。
次世代の5代目では高性能なターボエンジンは廃止されましたが、1997年に限定車として発売された「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」は、車名にあるとおり「N1カテゴリー」のレースで勝つことを目的に開発された、高性能モデルです。
N1レースではレギュレーションで改造範囲が最小限に抑えられており、ベース車のポテンシャルがそのままレースの成績を左右することになるため、打倒シビックを目標に日産とオーテックジャパンがタッグを組み、パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1を開発。
搭載されたエンジンは1.6リッター直列4気筒DOHCの「SR16VE型」で、最高出力はスタンダードモデルの「VZ-R」が175馬力だったのに対し、専用のシリンダーヘッドを搭載、ポートや燃焼室、吸排気マニホールドの研磨などのチューニングが施され、クラストップの200馬力を発揮しました。
さらに、1998年には「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1 VersionII」を発売。最高出力は200馬力のままでしたが、サスペンションの強化と車体の軽量化、フジツボ技研製マフラーが装着されるなど、さらに戦闘力が向上。
実際のスーパー耐久シリーズではシビックタイプRと互角以上の戦いを繰り広げましたが、わずかに及ばず、タイトル奪取はかないませんでした。
なお、パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1が200台、同VersionIIが300台と、合計500台しか販売されず、これにはレース用車両も含まれていたため、いまではかなりの希少車となっています。
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現在、国内メーカーで1.6リッター自然吸気エンジンを搭載するモデルをラインナップしているのは、日産、スズキ、スバルの3社ですが、かつてのような高回転、高出力なエンジンはありません。
1.6リッターエンジンは自動車税の税法上不利なうえ、各メーカーとも市販車ベースのレースへの参戦は以前に比べてかなり消極的ですので、今後、高性能な1.6リッター自然吸気エンジンの復活は期待できないでしょう。