走り好きのパパにオススメ! メルセデスAMG「GLC 43 4 MATICクーペ」全方位解剖【動画あり】
プロレーサー、テストライダー・ドライバーの丸山浩氏による、オーナー目線のインプレッション。今回は、メルセデスAMG「GLC 43 4 MATICクーペ」インプレをお届けしよう。
もはやクルマではなく、コンシェルジュだ!
近頃多くなってきたクーペタイプのSUV。ポルシェ「マカン」やBMW「X4シリーズ」などもこのジャンルで、区分としてはミドルサイズ。とは言え車幅は1.9m超えなので意外と大きめ、佇まいはドドーンと迫力がある。
そしてメルセデスAMG「GLC 43 4 MATICクーペ」は、2996ccV型6気筒ツインターボのエンジンで、最高出力390psを発揮。さすがはAMGといわんばかりのパワーユニットだ。
機能満載で車体価格980万のこのクルマ、どんな使い方ができるのかを検証してみよう。
フロントグリルは、前モデルよりもだいぶ威圧感のある印象になった。
もっとも目に止まるのはLEDヘッドライトだ。起動時には上下のラインが流れるように明滅し、センター2つのユニットがグリグリっと動く。勿論無駄にオシャレというわけではなく、この動きにより片側84個もあるLEDを制御し、状況に合わせて照射範囲を自動調整してくれる。
その名も「ウルトラハイビーム」。なんとも光線が可視化できそうな響きである。
早速車内に入り込む……前に、ラゲッジルームからチェックしよう。SUVをクーペにすることは、スポーティなスタイリングを得る代わりに、多少なりとも後端の積載量を減らさざるを得ない。
購入後に「こんなはずでは……」とならないように、包み隠さずレポートしたい。リアバンパー下につま先をスパッと入れて、テールゲートがオープン。最近のリアゲート開閉センサーは反応が随分優秀になった。
開口部はクーペラインで斜めに下がってきているので、背丈のある荷物を積むにはリアシートを畳んで室内に押し込む必要がある。とはいえ機内持込可能サイズのキャリーケースなら、リアシートはそのままで乗車定員分積むくらいの容量は十分にある。
一方、海外旅行に持っていくような大型キャリーを家族4人分積載することは厳しいかもしれない。
このクーペっぷりのルーフラインで、後部座席のヘッドクリアランスは大丈夫かと座ってみたところ、その心配は杞憂だった。
身長168cmの私では何ら問題なく、圧迫感もない。ちょうど頭部を過ぎてからルーフラインが下がるようつくられている。シートは厚みと弾力が程よいバランスで、足元も広々。リアシート空間は大人2人が並んで座っても実に快適だ。
運転席のシートも同様にコシのある質感で、バケットシートのように深く沈み込む形状。サイドサポートもしっかりしていて、スポーティなドライビングポジションも取れる。
フル液晶のメーターパネルとセンターモニターにはさまざまな情報が表示され、それをハンドルのタッチセンサーをはじめとしたボタン類、センターコンソールのタッチパネルで操作する。
もちろんセンターモニターもタッチ式で、ありとあらゆる機能がスマホ的に扱えるものだから、センターコンソールの機械的ボタンはどんどん減っている。クルマ業界全体にいえることではあるが、インテリアの操作系に関しては時代の流れが加速しているように感じる。
なかでもメルセデスはアップデートが細かい方ではなかろうか。USB端子がtype Cを採用しているのにも驚いた。私のスマホ、まだtype BのマイクロUSBなので、「これでは使えない」と思ったら、純正アクセサリーにtype C→type A変換ケーブルがあった。
この過渡期に最先端を選択するとは、流石はメルセデス・ベンツ。しかし、ついにグルグル回すジョグダイヤルが無くなってしまった。私としてはグルグル選びコチコチ押し込んで選択する方式が体に馴染んでしまっているのだが、こればっかりは時代に合わせていくしかない。
最先端といえば音声認識システムもそのひとつ。「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」というのだが、例えるならナイトライダーの「おはようマイケル」でお馴染みなキッドみたいなもの。
「ハイ、メルセデス」と声をかければ、「何をおこないますか?」と要件を訊ねてくれる。なお呼びかけは「ハローメルセデス」でもOK。というか「メルセデス」だけでも機敏に反応するから、インプレ動画撮影中に幾度となく呼び出してしまう羽目にもなった。それくらい人の声を聞いているMBUX、彼女のコンシェルジュっぷりは実に素晴らしい。
運転手が「寒い」といえば運転席側だけ温度を上げ、助手席から「暑い」といえば助手席側だけ温度を下げる。行きたい場所を伝えればナビを設定、「疲れた」といえば音楽を流し、さらには素敵な香りまで漂ってくる。
その上インターネットに繋げば、天気やら何やらも調べてくれるとか。ここまで柔軟に応えてくれると、あたかも人と応対している感覚になる。もちろん機械であることは分かっているのだが、渋滞のなかをひとりで運転しているときなどは、結構気分転換にもなる。
ちなみに、私のお気に入り機能はエクササイズ。MBUXコーチの指導の元、運転したままの姿勢で各種運動ができる。これまたコーチがよく話しかけてきてくれるので、ひと通りプログラムをこなせば、さっきまで眠かったお目々もパッチリだ。ここまで音声認識機能の恩恵を実感したのは初めてかもしれない。
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