ランボルギーニ「ディアブロ」の名前は闘牛ではなかった!! 開発者に聞いた命名理由とは!?

ランボルギーニ「ディアブロ」の名前は、闘牛からとったというのが定説だが、本当はそれは後付の理由だった。ディアブロの開発者責任者であったマルミローリ氏から、ディアブロという名前が決定した経緯を直接インタビューして分かった、本当の「ディアブロ命名物語」をお届けしよう。

「ディアブロ」の名付け親は、マルミローリ一家だった

 1990年1月21日、モンテカルロで華々しくデビューしたランボルギーニ「ディアブロ」。その日を境に1974年から続いて来た「クンタッチ」の時代が終わり、ディアブロの物語が始まった。

「ディアブロ」、耳に聞こえて来る音は覚えやすく、記憶に残る。しかし、その意味となると「悪魔」。欧米人にとってはかなり思いきった名前に聞こえただろう。

 ランボルギーニは「ミウラ」以降、クンタッチ以外は闘牛関連の名前が並んでいる。「ディアブロも闘牛の名前から命名」と語られているが、実はそうではない。ディアブロに行き着くまでには紆余曲折があった。

1990年、モンテカルロの発表会にて、生産者第1号のディアブロの後ろに立つルイジ・マルミローリ氏
1990年、モンテカルロの発表会にて、生産者第1号のディアブロの後ろに立つルイジ・マルミローリ氏

 命名においてのキーパーソンは、ディアブロの父といわれているルイジ・マルミローリ氏だ。

 彼はフェラーリのサーキットがあるフィオラノで生まれ、小さい頃から〈フェラーリサウンド〉を聞いて育ったクルマ大好き少年だった。

 そんなマルミローリ氏は大学では機械工学を学び、クルマの世界で働きたいと夢を抱いていた。

 大学卒業後、一旦は部品メーカーに勤めたが、憧れのフェラーリからお呼びがかかり、フェラーリのレース部門へ移った。彼が関わったエンジンは、「312P」、「312B」、「312B2」、「312B3」、「312T」、「312T2」である。

 その後はエンジニアリングの会社を立ち上げ、レース界を支えるべく各社に関わった。レース関連最後の仕事はアルファロメオのF1だ。

 そしてアルファロメオのF1撤退とともに彼はレースの世界から、スーパーカーメーカー、ランボルギーニへと移っていった。それは1985年1月のことだった。

 当時のランボルギーニは完全に守りの態勢に入っていて、クンタッチ以降のモデルがなかなか誕生していなかった。常に最先端の技術を追い続けていたレースエンジニアのマルミローリ氏が、そうしたランボルギーニの状況を打ち破るべく、ランボルギーニに新風を吹き込んでいった。

 ここからディアブロ誕生へと繋がっていく。

 1985年12月、待望の新プロジェクト「開発番号P132」がスタートした。

 1986年6月、プロトタイプ1号車の製作開始。1987年4月にはプロトタイプ第1号をランボルギーニ本社の中庭で発表するにいたる。

 さて、ここからネーミング物語が始まる。ランボルギーニ社の誕生時は「350GT」、「400GT」と数字が車名となった。その後、ミウラをはじめとして闘牛の世界に関する名前が採用されるようになった。ミウラ(闘牛)、「イスレロ」(闘牛)、「エスパーダ」(闘牛に使う剣)、「ハラマ」(闘牛場)、「ウラッコ」(小さな牝牛)と、闘牛に関係する名前ばかりだ。

 ちなみにクンタッチは、ピエモンテ州の農家の人が、いままで見たこともない斬新なスタイルのスーパーカーを見て、思わず発した感嘆の言葉「クンタッチ」がそのまま車名となった。クンタッチとは、ピエモンテ州の方言である。

 クンタッチの次世代になるフラッグシップの開発責任者であるマルミローリ氏は、車名も決めなくてはならなかった。

 車名によって世間の関心度も変わる。このまま闘牛を続けるか、または新しい方向に向かっていくか、「どうしたものだろうか」と考えた。

 ランボルギーニの上層部と話し合いの結果、投票で決めることになった。マルミローリ氏があげた車名リストのなかから、ランボルギーニの当時の幹部役20名に投票してもらう。車名はひとり3つまで選ぶことができ、希望があれば自分でつけた名前を書き込んでもよい、ということになった。

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