なぜ日産はジュークではなく新型キックスを導入? 小型SUVならではの事情とは
コンパクトSUVの新型車として、日産「キックス」が国内導入されます。しかし日産には、同じコンパクトSUVの「ジューク」があります。ジュークは2019年にフルモデルチェンジしましたが、日本では販売されず、欧州で販売されています。なぜ日本はジュークではなくキックスが導入されることになったのでしょうか。
ジュークとキックスはどう違う? 欧州と日本とで異なる事情とは?
日産において10年ぶりの新規モデルとなる、新型「キックス」が2020年6月24日に発表されました。発売は同年6月30日に発売されます。
激戦区となるコンパクトSUVカテゴリに投入された新型キックスですが、日産はこれまで同カテゴリの「ジューク」を販売していました。
ジュークに代わって新型キックスが国内導入されることになったのは、一体なぜなのでしょうか。
初代ジュークが登場したのは2010年で、ジュークがコンパクトSUVのカテゴリをカテゴリ開拓。ホンダ「ヴェゼル」やトヨタ「C-HR」などが後に続き、現在ではさまざまなモデルがラインナップしています。
ジュークは2019年に2代目モデルへフルモデルチェンジしましたが、販売されるのは欧州で、日本へは導入されていません。
一方のキックスは、2016年にブラジルで発売されてから、北米や中国、東南アジアなどで販売されています。2020年5月にはタイでビッグマイナーチェンジモデルが世界初公開され、今回日本へ新規導入されることになりました。
ジュークとキックスと、日産にはふたつのコンパクトSUVがありますが、なぜ日本では新型ジュークの代わりに新型キックスが導入されることになったのでしょうか。日産広報担当者は次のように話します。
「新型ジュークを日本に導入するかどうかについて検討はしておりましたが、ジュークはデザインは優れているものの、後席や荷室の狭さが日本のユーザーには適していないのではないかと考えました。
新型キックスは、後席も荷室も広く確保しており、デザイン性だけではなく実用性も兼ね備えています。
そのため、日本には新型キックスを導入し、後席や荷室の広さよりもデザイン性を重視する傾向がある欧州では新型ジュークを販売しています」
新型ジュークと新型キックスは、後席や荷室の広さに違いがあります。
新型ジュークのボディサイズは全長4210mm×全幅1800mm×全高1595mm、新型キックスは全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mmと、同じくらいのサイズですが、新型ジュークはルーフ後方が下に下がるクーペスタイルを採用していることから、後席の頭上空間や荷室はさほど広くありません。
その点、新型キックスの後席は、ニールームが600mm、頭上空間が85mmで、大人4人がしっかり乗れるパッケージを実現。後席は窓の形状を工夫することで視界も良く、くつろげる広い空間としました。
また、荷室もクラストップレベルの423リッターと、Mサイズのスーツケースを4個積載できるスペースを確保しています。
新型ジュークと新型キックスはコンパクトなサイズであることから、デザインや室内などに制約があります。
デザインを重視するか、実用性を重視するかという点において両車のキャラクターを分け、日本のユーザーにより適した新型キックスが導入されることになったというわけです。
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