珠玉の名車がズラリ! バブル絶頂1989年に誕生した車5選
コンセプトや先進的なメカニズムの採用など、さまざまな名車が登場した1989年は日本の自動車史において、記憶に残る1年です。現代でも語り継がれる傑作やヒットモデルも多い、1989年登場のモデルから5台をピックアップして紹介します。
平成の幕開けとともに登場した日本の名車たち
自動車史においてもっとも輝いていた年といえば、1989年といえるでしょう。世はバブル絶頂期で、元号も「平成」になるなど、さまざまなニュースや出来事も多かった1年です。
とくに日本の自動車史にとっては、現在でも語り継がれる名車が数多く登場した、いわゆる大豊作の1年でもありました。
そんな1989年にデビューしたモデルのなかから、当時を知る人には懐かしく、知らない人にも魅力的な名車を5台紹介します。
●日産「フェアレディZ」(Z32型)
日本を代表するスポーツカーの代名詞ともいえるのが日産「フェアレディZ」です。
時代ごとにスタイルやパフォーマンスで完璧なスポーツカーを目指しているフェアレディZですが、1989年に登場した4代目のZ32型は、当時の時代背景を反映してより大きくワイドな2ドアクーペスタイル(全長4310-4525mm×全幅1790-1800mm×全高1245-1255mm)で注目を集めました。
ボディは2シーターと2 by 2と呼ばれる2種類がありました。
日産のスポーツカーとしての地位を確立していたフェアレディZですが、大型化されたグラマラスなボディだけでなく、心臓部には3リッターV型6気筒エンジンを搭載(NAとターボの2種類)。
ターボ車はR32型GT-Rよりも前に280馬力ものハイパワーを実現し、これが馬力自主規制のきっかけとなったともいわれ、輸入スポーツカーに負けない高級感と走行性能を誇りました。
獲物を狙う猛獣のようなスタイリングは賛否両論ありましたが、現在でも十分立派なサイズと走行性能で一部では根強い人気を誇っています。
実質的な速さはR32型GT-Rに譲ったものの、それでもフェアレディZは「打倒ポルシェ&コルベット」を目指しましたが、その後日産の経営悪化を受けて新型の開発が進まず、2000年の5代目登場まで10年以上も生産されたという歴史を持っています。
●日産「スカイラインGT-R」(R32型)
1989年はバブル真っ盛りで、何をやってもお金が入ってくる時代でした。各メーカーもどんどんと開発費を投入し、先進的なコンセプトやメカニズムを採用したモデルが登場しました。
そんななか、1970年代にレースで圧倒的な強さを誇った最強のスポーツカーの称号「GT-R」を受け継ぎ、1989年に華々しく復活したのが「スカイラインGT-R(R32型GT-R)」です。
「スカイライン」自体は8代目ですが、GT-Rとしては3代目となります。
当時、日産が掲げていた「901運動(1990年代に技術世界一のクルマ作りを目指したスローガン)」の集大成として登場したR32型GT-Rは、電子制御トルクスプリット式4WD機構「アテーサE-TS」や電子制御式4輪操舵機構「Super HICAS」といった先進の技術と、専用設計された2.6リッター直列6気筒ツインターボエンジン(RB26DETT)を搭載していました。
その「901運動」に呼応して与えられた命題「レースで圧倒的な強さを証明せよ」を実現すべく登場したR32型GT-Rは、全長4545mm×全幅1755mm×全高1340mmのボディサイズで、当時としては希少だった国産3ナンバーのワイドさを誇ります。
市販車をベースとした「グループA」のカテゴリーで争われ、高い人気を誇ったツーリングカー選手権のレギュレーションに合わせ排気量を2.6リッターに設定。
最高出力は自主規制で280馬力に抑えられていましたが、実際は軽く300馬力以上を叩き出す実力をもったハイパワーエンジンとして有名でした。
レースでもデビュー年から圧倒的な強さを誇り連戦連勝を重ね、「GT-R=真の速さを持つスポーツカー」として、クルマ好きの羨望の的でした。
また当時はハイパワー化させる「チューニング」が大流行していたため、ターボの加給圧をアップして数百馬力ものパワーを誇るモンスターGT-Rが存在するなど、カスタムベースとしても大人気になりました。
現在でもその人気は根強く、細部にまで手を加えられたR32型スカイラインGT-Rはもちろん、程度のいい車両などはプレミアム価格がつくほど中古車市場でも大人気です。
現在のGT-Rにも受け継がれるスポーツ4WDのコンセプトを体現した、名車中の名車といえるでしょう。
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