「タイヤ公園」のタイヤはどこからくる? 全国にあるタイヤ遊具の謎に迫る!
全国各地の公園で見かける機会があるタイヤを使った遊具。これらのタイヤは一体どこからやってきたのでしょうか。
タイヤだらけの公園も? その供給元は?
学校の校庭や公園などで、タイヤが半分埋まっているものやブランコにタイヤが使用されるなど、遊具として活用されていることがあります。
地域によっては「タイヤ公園」といった愛称で呼ばれるほど、大量のタイヤが埋まっている公園も存在しますが、これらのタイヤはどこからやってくるのでしょうか。
タイヤは、ゴムのほかにワイヤーなどの金属も使用されており、寿命を迎え処分されるときは粗大ゴミではなく「産業廃棄物」として扱われることとなります。
そのため一般家庭では処分するのが難しく、ガソリンスタンドやカー用品店またはクルマの販売店に頼んで処分してもらうのが一般的です。
タイヤサイズにより処分料は異なり、乗用車であれば1本250円から500円が相場となっていますが、トラックなどに使用されている大きなタイヤでは1000円以上の処分料がかかってしまいます。
これらの産業廃棄物として処理されるはずだった廃タイヤを有効的に活用し、子供の遊具にならないかと考えられたのが「タイヤ遊具」の始まりといわれています。
適度な弾力性があるためケガもしにくく、材料費もかからないといったメリットから、現在では全国の公園や学校で見かける機会が増えました。
そのなかでも、東京都大田区にある西六郷公園は、通称「タイヤ公園」と呼ばれるほど見渡す限りタイヤだらけの公園です。
大田区の担当者によれば、実際の乗り物・機械などの廃物を集めた、通称「ガラクタ公園」と呼ばれる萩中公園を開園した際、園内に置かれた古タイヤが子供たちの格好の遊び道具となり、そこに着目した大田区がタイヤ主体の公園を作ることを考え、造成されたとのことです。
建設当初は約3000本の廃タイヤが利用され、乗って滑り降りるアトラクションやタイヤブランコなど、ほとんどの遊具にタイヤが利用されています。
なかでも、タイヤを積み上げ作られた高さ約8メートルのタイヤ怪獣は、公園のシンボルにもなっており、尻尾までの全長は約20メートルもあるといいます。
廃タイヤを再利用した公園は世界的にも珍しく、開園当時はアメリカやオーストラリアなどからの問い合わせも多く、海外で紹介されたこともあるそうです。
では、これらのタイヤは具体的にどのような場所からやってくるのでしょうか。
西六郷公園を管理する、東京都大田区都市基盤整備部の担当者は次のように話します。
「公園で使用している多くのタイヤについては、西六郷公園の構想が決まった後、区で呼びかけをおこない建設会社、自動車修理工場、航空会社等の協力のもと集められました」
また、首都圏の市役所職員は次のようにも話しています。
「空港が近いため、昔は航空機や空港内車両の廃タイヤをもらっていたと聞いたことがあります。クルマのタイヤでは作ることができない大型の遊具も制作でき、子どもたちからは人気があります」
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クルマだけでなく航空機のタイヤも使用されており、それが遊具のバリエーションを増やす一因になっています。
なお、点検や維持補修の際はタイヤを取り替えることがあるともいい、供給元には困っていないようです。
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