たった数秒の短縮 問題化する「コンビニワープ」 道交法の対象にならない理由とは

交差点に隣接するコンビニの駐車場をショートカットする「コンビニワープ」は近年問題視されています。なかには、死亡事故が発生するなど危険な行為ともいえます。コンビニワープの実態はどうなっているのでしょうか。

コンビニワープは事故の危険性も!道路交通法で取り締まることは難しい?

 赤信号の待ち時間を避けるために、交差点沿いに面したコンビニの駐車場を横断する「コンビニワープ」が社会問題になっています。近年では、こうしたショートカット行為により、死亡事故も発生。事故を起こしかねない悪質なコンビニワープは、道路交通法違反で取り締まることができないのでしょうか。

コンビニワープは危険を伴う行為。 交差点の通行ルールは守りましょう!
コンビニワープは危険を伴う行為。 交差点の通行ルールは守りましょう!

 近年、問題視される「コンビニワープ」は、交差点沿いに面したコンビニ駐車場を斜めに横断し、赤信号をショートカットする行為のことを指します。

 このような危険運転をおこなうドライバーがここ数年急増した結果、コンビニワープという造語が名付けられました。数秒、数十秒など、わずかな信号待ちを嫌がる人も多く、多発している危険行為です。

 また、コンビニだけに限らず、セルフ式のガソリンスタンドや、広い駐車場を設ける飲食店舗など、交差点に面したあらゆる場所でワープ走行がおこなわれています。そのため、別名ガソスタワープと呼ばれることもあります。

 このコンビニワープは、事故のリスクが非常に高い行為です。駐車場に進入しようとして、歩道や路側帯の歩行者と接触する危険以外にも、駐車場内を行き交う歩行者や自転車、そして施設を利用するために出入りをする対向車などと衝突する恐れも考えられます。

 なかには、ショートカットした先の道路と合流することに集中するあまり、クルマや建物の影から飛び出してくる子どもに気づかず、跳ねてしまう恐れもあります。

 2020年4月には、大分県宇佐市内にある飲食店の駐車場で3歳の女の子がショートカットのため走ってきたトラックに跳ねられ末に亡くなった事故も発生。

 運転手の男性は、釣りに向かう途中だったと話しており、調べに対して「近道をしようとして駐車場を経由した。女の子に気づいてブレーキを踏んだが、間に合わなかった」と述べています。

 コンビニワープの問題について、コンビニ側はどのように考えているのでしょうか。愛知県内のコンビニエンスストア店長は、以下のように話します。

――コンビニワープの現場を見かけたことはありますか。

 交差点に面して広い駐車場が設けられているので、コンビニワープをされる人は多いです。1日の具体的な台数など把握できていないものの、頻繁にその様子を見かけます。

 とても迷惑していますが、すぐに通り過ぎてしまうので注意することができません。また、借りている土地なので、ここは通っちゃダメともいえないのが現状です。

――警察への通報など、何か対策は取られているのでしょうか。

 毎日同じ人がコンビニワープしているわけでもないため、いつ起こるか分かりません。そのため、警察に通報するのは難しいと感じています。

 また、具体的な対策については本部が決定するため、各店舗の判断で決めることはできません。本部側も、こうした問題について認知していると思いますが、具体的な対処ができないのが現状です。法律による罰則もないので、現時点では対策を練ることすら難しい状況になっています。

※ ※ ※

 コンビニエンスストア店長の話にあった通り、コンビニワープは道路交通法で取り締まることができません。

 その理由は、コンビニをはじめとする店舗の駐車場は、公道ではなく私有地扱いになるため、道交法違反にならないようです。

 赤信号を避けるための行為であっても、公道上ではないために信号無視として扱うこともできません。また、私有地内のトラブルは民事扱いになるため、警察側の関与も難しいといえます。

 しかし、実際に事故が発生したケースでは、例外も考えられます。過去には、不特定多数の車両や人々が行き交うことから、駐車場も道路とみなされた判例も存在します。そうなれば、道路交通法を適用することも可能です。

 また、人身事故を起こした場合は、過失運転致死罪として問われます。コンビニワープによる事故は、通常起こりうる事故ではありません。そのため、被害者側も事故を想定できないことから、加害者側の過失が大きくなります。

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コメント

6件のコメント

  1. 大分県には宇市なんてないですよ

    • このたびはご指摘いただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

  2. 近年と言われてもなぁ…。
    もう10年以上前から言われているし、何件か交通事故を見たことがある。
    ちょっとそのコンビニは構造的に変で、パイロンを設置したらそこに突っ込んで逆切れするドライバーも見たことがある。

  3. 道交法で縛れないなら他の法律で規制すればいいだけではないのか?
    法律が無いなら新たに対策する為の法を作ればいい。政治家の仕事だ。
    社会環境で問題が発生したら「規制する法が無いので放置」が正しい筈が無いだろう。
    コンビニやガソリンスタンド等のチェーン店舗が独自に出来ないのは判るが、であれば本体ブランドを持つ会社が責任を持って何らかの措置をすべきでもある。
    マスコミは浮き上がった問題を持って責任を持つべき会社等に取材し意見を出させて報道すべきだ。
    しれが報道の仕事だろう。
    また管理責任がある筈の私有地内の迷惑行為に何の対処対策もしないのは、犯罪幇助にも等しい。
    単純にカラーコーンなどで区切る事でショートカットの阻止をするだけでも効果はあるだろう。
    それに対する客の苦情には私有地内の安全管理責任による措置だと張り紙などすればいい。
    文句や不満は言うけど何の工夫もしないのでは、店の嘆きに全く賛同できない。

    • そうやって何かある度に法律で規制すると世の中規制だらけになる。そして一度できた法律はなかなか止められなくなる。しまいには交差点角地の店舗は駐車場設営禁止とかになってしまう。

      それにコンビニ側は被害者。あなたの論理は「痴漢は襲われる方の自衛が不足している」とか言ってしまう前時代の発言だ。大体コーンに風や人が当たって路上に飛び出たら?固定すれば悪意無く衝突した人や自転車に被害が出たら?またあなたは店舗の責任とのたまうのでしょう?無難なのは駐車場の車両配置を工夫するとかだが、それは店舗利用の利便性を下げてしまうかもしれない。あなたのように店の落ち度を「創造」し、規制規制と叫ぶ人たちが日本の経済を停滞・老化させていく。いいかげん自覚して欲しいものだ。

  4. 間接的ではありますが、歩道・路側帯を横切る際の一時不停止(道交法17条2項)を取り締まって、ショートカット効果を削ぐことはできないでしょうか?