マンションの駐車場で悲惨な事故 身近な危険は人が原因?
2020年5月、マンション内に設置される立体駐車場で死亡転落事故が起きました。こうした事故は、決して珍しいものではありません。暮らしの身近な場所で、命の危険に晒されてしまうケースもあるのです。そこで、今回は、立体駐車場の事故を未然に防ぐ方法について紹介していきます。
立体駐車場で転落死亡事故発生!身近に潜む危険から命を守るためにできる対策とは?
暮らしの身近な場所で、命の危険に晒されてしまうケースもあります。2020年5月14日、東京都内マンションの立体駐車場で転落による死亡事故が起きました。どのような事故だったのでしょうか。
5月に発生した事故では、70代女性が亡くなりました。警察の調べによると、立体駐車場は地上2階から地下2階の4フロアに分かれており、1階部分に駐車後、クルマを降りてボタン操作をする仕組みになっていました。
当時、女性は夫と外出しており、帰宅時にクルマを駐車しようとして機械が作動したため転落したと見られています。
このような立体駐車場で起こる事故は決して珍しいものではありません。実際に、内閣府の政府広報オンラインが発表するデータによると、2007年度から2013年度までの7年間で、計207件の事故が起きています。うち16件は重傷者が発生し、10件は死亡事故に繋がっているようです。
そのうち、4人の重傷者および3人の死亡者は、クルマの運転手と同行する子どもであることも分かっており、207件のうち約4割近くはマンションの立体駐車場で報告されています。
なぜ、このような事故が発生するのでしょうか。駐車場の安全を管理する事業者は、以下のように話します。
「最近の駐車装置は、2014年に国土交通省の要請による新しい安全基準に基づいて作られているので事故が起こる可能性は低いです。
しかし、20年から30年前のものであれば例外です。駐車装置は寿命が長いので、バブル景気のころに作られたものを未だに使用しているマンションもあるでしょう。
費用を出して安全装置を追加するなどの措置を取っていない場所も多く、古い駐車装置の操作は人任せなものが目立つため、事故が起こる可能性もあります。
ただ、基本的に駐車装置は非常に安全なもので、仮に古い装置であっても、事故もめったに起こることはありません。
そのため、実際に怪我や死亡事故が起きる大半は、利用者側がルールを守って使用していないケースが多いといえます。
メーカー側も、装置を操作する前に必ず荷物や同乗者を降ろし、作動させるときは運転手だけにすることを呼びかけています。しかし、ルールを守らず、同乗者を乗せたまま装置を動かしてしまえば、事故に繋がってしまいます」
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では、駐車装置にはどのような安全装置があるのでしょうか。前出の事業者は次のように話します。
「安全装置の導入については、説明しだすとキリがないほど種類があります。代表的なものをあげるとすれば操作認証装置です。
ある特定の一人が装置を操作している間は、ほかの人がスイッチを押しても反応しません。ひとりひとりに暗証番号が割り振られており、入力することで操作することができます。
なかには、指紋や顔認証システムを導入している装置もあります。特定の誰かが利用する限り、周りの人間は機械を操作できないため、誤作動による事故を防ぐことができます。
次に、センサーが人を感知すると機械が止まる安全装置です。クルマの前後左右にセンサーが設置されており、車内から人が出てくるとセンサーが検知して動作をストップします。装置が止まりさえすれば、最悪の事故は免れられるでしょう。
ただし、安全装置を増やす分、利用者の使い勝手は悪くなります。センサーがすぐに反応するため、些細なことでもすぐに動作を停止してしまうので、あまり導入したくないのが本音です。使い勝手を良くするには、利用者がルールを守るしかないといえます」
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このように、駐車装置自体にはさまざまな安全機能が備わっており、ルールを守って操作する限りは、事故が発生する可能性は低いようです。
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